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2023.09.10
建物付帯設備の耐用年数は?減価償却の方法とメリットもご紹介
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫や工場に設置されている空調設備や照明・電気設備、給排水設備などは「建物付帯設備」といって建物の資産価値の一部です。
建物を購入したときの費用は、複数年(耐用年数)に分割して経費計上をする「減価償却」を行うのですが、建物付帯設備も同様に耐用年数があり、減価償却が必要です。
今回は、建物付帯設備の耐用年数と減価償却について解説します。
節税になる減価償却の方法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
建物付帯設備とは?
建物付帯設備とは、建物に付属して機能する工作物のことです。
「建物付属設備」と呼ぶこともあります。
具体的には、給排水管や給湯器などの「給排水設備」、冷暖房機や換気設備などの「空調設備」、照明器具や配線などの「照明・配電設備」、火災報知機や消火器などの「防火設備」などが、建物付帯設備に該当します。
柱や壁、梁(はり)などのように建物と一体になっているものではなく、後から取り付けて、建物の維持管理をしたり、建物の使用価値を増加させたりします。
会計処理的には、建物そのものと同様に資産となります。
建物付帯設備の耐用年数をチェック
建物付帯設備は資産ですから、法定耐用年数が定められています。
法定耐用年数とは、設備が物理的に使える年数(寿命)ではなく、資産としての価値がある年数を国が定めたもので、減価償却費を計算するための年数です。
主な建物付帯設備の耐用年数は以下のようになっています。
構造又は用途 | 耐用年数(年) | |
電気設備
(照明設備を含む) |
蓄電池電源設備 | 6 |
その他のもの | 15 | |
給排水または衛生設備およびガス設備 | 15 | |
冷房、暖房、通風
またはボイラー設備 |
冷房設備(冷凍機の出力が22kW以下) | 13 |
その他のもの | 15 | |
昇降機設備 | エレベーター | 17 |
エスカレーター | 15 | |
消火、排煙または災害報知設備および格納式避難設備 | 8 | |
店用簡易装備 | 3 | |
可動間仕切り | 簡易なもの | 3 |
その他のもの | 15 | |
前掲のもの以外のものおよび前掲の区分によらないもの | 主として金属製のもの | 18 |
その他のもの | 10 |
ちなみに、倉庫や工場の法定耐用年数は構造によって異なり、木造は15年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造は38年、鉄骨造では骨格材の厚みにより17~31年で、こちらも国によって定められています。
倉庫や工場の耐用年数については、以下のコラムでも詳しくご紹介しています。
倉庫の耐用年数(寿命)とは?点検・修繕方法や減価償却も確認!
法定耐用年数と物理的耐用年数(寿命)の違いについても解説していますので、ぜひあわせてご覧くださいね。
建物付帯設備の減価償却のメリットと方法
減価償却とは、資産を購入したときに、その費用を購入年だけではなく複数年(減価償却期間)にまたがって費用計上していく会計処理の方法です。
経費を複数年で計上することで毎年の正確な損益を知ることができ、長期的な損益を正しく把握できること、節税になることなどが減価償却のメリットです。
建物付帯設備の減価償却方法
建物と付帯設備は分けて減価償却するのが原則。
付帯設備の費用は一つひとつを計算するのではなく、建物の購入費から按分して算出することが可能です。
新築時の見積もりなどをもとに按分するか、資料がない場合は不動産鑑定士に依頼する方法もあります。
建物付帯設備の割合は建物全体の1~2割(エレベーターがある場合などは最大3割)程度になることが一般的です。
以下の条件の建物と建物付帯設備の減価償却を計算してみましょう。
- 鉄筋コンクリート造倉庫
- 建物価格1億円(うち、設備価格2,000万円)
- 倉庫耐用年数38年
- 建物付帯設備耐用年数15年
建物と2016年以降に購入した建物付帯設備は、毎年同額の減価償却費を計上する「定額法」で計算されます。
建物は8,000万円を38年かけて経費計上するので、1年の減価償却費は【8,000万円÷38年=約210万円】。
建物付帯設備は2,000万円を15年かけて経費計上するので、1年の減価償却費は【2,000万円÷15年=約133万円】です。
1年目から15年目の減価償却費は、建物と建物付帯設備を合わせて【1年約343万円】、16年目から38年目までは建物の減価償却費だけになり【1年約210万円】となります。
なお、特例として木造、合成樹脂造、木骨モルタル造の建物の場合は、建物付帯設備を建物と一括して建物の耐用年数で減価償却することが可能です。
建物よりも建物付帯設備の耐用年数が短い場合は、分けて減価償却した方が単年の経費を多く計上できるため節税効果が大きいです。
ただし、建物と建物付属設備を分けて減価償却する方が良いかどうかは物件や状況により変わりますので、どちらにするか悩まれる場合は、不動産会社や税理士などに相談してみてください。
建物付帯設備の耐用年数は主に15年!建物とは分けて減価償却を
建物付帯設備とは建物に付属して機能する工作物で、給排水設備や空調設備、照明・配電設備、防火設備などです。
建物と同じ資産として耐用年数が定められ、会計処理では減価償却が必要となります。
耐用年数とは減価償却費を計算するもとになる年数で、建物付帯設備は一部を除き主に15年。
建物付帯設備の耐用年数が建物の耐用年数より短い場合は、建物と分けて減価償却することで単年に計上できる経費を増やし、節税になります。
建物付帯設備は建物と分けて減価償却するのが原則ですが、木造や木骨モルタル造など建物の構造によっては特例として建物と一括して減価償却することも認められています。
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