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2024.05.10

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金を解説!

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

2020年(令和2年)から実施されている「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」が、2024年(令和6年)も実施される予定です。

 

少し長い名前の補助金事業ですが、条件が合えば国内での設備投資に活用できるものです。

 

今回のコラムは、この「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」について、補助金事業の目的や仕組み、補助金の対象者や対象事業などを解説します。

 

※2024年4月時点の情報です。

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ここに目次が入ります

 

 

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金とは?

「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は2020年から実施されている補助金事業です。

 

サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの流れ全体のことを指します。

 

2020年といえば、コロナ禍の真っただ中。

感染拡大や感染対策を理由に世界中の工場が製造をストップし、さまざまな資材、原材料、部品、製品などの流通に大きな影響が出ました。

 

日本国内でも、海外から輸入していた材料や製品の供給がストップしたり、国内の工場がストップしたり、また、マスクや消毒液などは過剰な需要に供給が追い付かなくなってしまったりしたことも。

 

つまり、こういった製品について、サプライチェーンがもろいことが浮き彫りになったのです。

 

そこで、供給が不安定になることに対するリスクの大きい製品について、国内生産拠点等の整備をしてサプライチェーンを強化するべく実施されたのが「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」。

 

つまり、国内での設備投資に対して補助金を出して国内生産拠点を整え、製品等の円滑な確保を図ることが目的です。

 

2020年に1次公募、2021年に2次公募、2022年に3次公募、2023年に国際情勢の変化を踏まえた原材料安定供給対策事業としての公募が実施され、2024年も実施予定と見られています。

 

経済産業省が基金設置法人に基金造成をし、事務局(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)が、基金設置法人から事務の委託を受けて実施しています。

申請者は事務局へ申請をし、承認を受けながら事業を進めていきます。

 

 

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の対象と申請方法

「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の対象事業には、主にA事業とB事業の2種類があります。

 

3次公募までの対象事業や補助率についてご紹介します。

 

対象事業

A事業

生産拠点の集中度が高く、サプライチェーン断絶時のリスクが大きい製品や部素材に対する国内生産拠点の整備事業。

例えば、半導体関連、次世代自動車関連、電動車関連、航空機関連などの製品やその部素材などが対象です。

B事業

国民が健康な生活を営む上で重要な物資の国内生産拠点の整備事業。

抗原検査キット、検査用スワブ、PCR検査試薬、PCR検査機器、給湯器関連物資などの製品やその部材を生産する工場が対象です。

 

対象経費

対象事業のための建物取得費、設備費、システム購入費が対象経費となります。

 

対象者と補助率

A・B事業については大企業は対象経費の1/4~1/2、中小企業は対象経費の1/4~2/3の補助を受けられます。

補助限度額は100億円です。

 

生産拠点の集中度が高く、サプライチェーン断絶時のリスクが大きい重要な製品、部素材に対する国内生産拠点整備で、中小企業が行うものについては中小企業特例事業として補助率の限度額が2/3となっています(限度額は5億円)。

 

なお、2023年度は「国際情勢の変化を踏まえた原材料安定供給対策事業」として、供給途絶リスクが生じている原材料等(パラジウム・石炭)の安定供給のための設備投資が対象でした。

 

2024年の補助金事業でも引き続き、先端半導体、先端電子部品、クラウドプログラム、蓄電池、工作機械及び産業用ロボット、航空機の部品、液化天然ガスなどの安定供給のための設備投資が対象になると見られています。

 

申請方法

「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は、補助金申請システム「jGrants」にて応募します。

 

公募受付締め切りまでに必要書類を揃えて申請をし、事業が採択されたら改めて補助金の交付申請、交付決定を受けてから、事業(設備投資)を開始します。

事業期間は原則3年間で、事業完了後には事業継続状況等の報告をする必要があります。

 

申請には、事前に「GビズIDプライムアカウント」を作成しておく必要があり、GビズIDの取得には2~3週間かかる場合もあるため、注意してください。

 

 

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の必要書類

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業に応募する際の提出書類も確認しておきましょう。

 

※こちらは第3次公募の公募要領より抜粋しています。

2024年の公募開始際には、最新の公募要領を確認してください。

 

A事業の必要書類

  • サプライチェーン対策のための国内投資促進事業の応募について
  • 補助事業概要説明書
  • 補助事業の実現性
  • 設備機械装置設備機械装置の先端性の先端性
  • 海外生産割合海外生産割合
  • 生産の一国集中度生産の一国集中度
  • サプライチェーン途絶リスクの重大性
  • 生産拠点の集中度低減効果(費用対効果)/増産効果
  • レジリエンスレジリエンス
  • 国内サプライチェーンの分散国内サプライチェーンの分散
  • 投資誘発効果
  • サプライチェーン全体の共存共栄
  • 従業員の賃金引上げ計画の表明
  • 関連する半導体補助金への非該当性
  • 関連する蓄電池補助金への非該当性
  • 補助事業の実施計画に掲げる添付書類、補足資料
  • 暴力団排除に関する誓約事項
  • 役員等一覧

 

B事業の必要書類

  • サプライチェーン対策のための国内投資促進事業の応募について
  • 補助事業概要説明書
  • 補助事業の実現性
  • 生産拠点の集中度低減効果(費用対効果)/増産効果
  • レジリエンス
  • 国内サプライチェーンの分散
  • 投資誘発効果
  • サプライチェーン全体の共存共栄
  • 従業員の賃金引上げ計画の表明
  • 補助事業の実施計画に掲げる添付書類、補足資料
  • 暴力団排除に関する誓約事項
  • 役員等一覧

 

以下のコラムでは、補助金申請で欠かせない事業計画書の書き方や考え方についてご紹介しています。

 

補助金申請の事業計画書の書き方は?事業計画の考え方も確認

 

もちろんサプライチェーン対策補助金でも必要になるため、あわせてチェックしておいてくださいね。

 

 

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金が2024年も実施の見込み

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金は、サプライチェーン断絶によるリスクの大きな製品やその部素材の供給安定を目的とした補助金事業。

国内での生産設備等の設備投資に補助金を交付し、サプライチェーンの強化を図ります。

 

生産拠点の海外集中度が高い半導体や電動車関連といったA事業、国民生活に欠かせない物資の工場といったB事業について、生産施設整備のための建物取得費、設備費、システム購入費の一部を補助します。

 

「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は2020年から毎年実施され、2024年も実施の見込み。

 

対象業種で国内生産施設の増強を検討している事業者の方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

 

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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