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2024.04.26
第12回 事業再構築補助金の公募開始!倉庫や工場に利用できる概要と申請方法も解説
こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
工場建設や倉庫建設で注目を集めている補助金、「事業再構築補助金」。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業の再構築を支援する補助金で、倉庫や工場の建設にも利用することが可能です。
今回は、倉庫や工場に利用できる事業再構築補助金について、詳しく解説。
第12回の申請時期とあわせて概要や要件、補助率・補助額、申請方法などをご紹介します。
第12回事業再構築補助金の公募締切は、2024年7月26日!
2021年より始まった事業再構築補助金は、2〜3カ月ごとに公募が行われていましたが、今回が最後の公募となる可能性があります。
また、今回公募より「事業類型」が見直しとなっており、「新市場進出」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」、「国内回帰」を行う案件が対象となります(新規事業への参入を行う必要があります)。
経済産業省 事業再構築補助金 第12回公募
(1)補助対象者
国内で事業を営む法人(中小企業・小規模事業者)と個人事業主
(資本金10億円未満、従業員数2,000人以下の中堅企業も対象となります)
(2)主な補助金申請枠(補助上限額は従業員数によって異なります)
(A)成長分野進出枠(通常類型)
・成長分野への大胆な事業再構築に取組む事業者
・国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者
・補助上限・補助率:6,000万円・原則2分の1
(B)成長分野進出枠(GX進出類型)
・グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題解決に資する取組を行う事業者
・補助上限・補助率:8,000万円・原則2分の1
(C)コロナ回復加速化枠(通常類型)
・コロナで抱えた債務の借換えを行っている事業者など
・補助上限・補助率:3,000万円・原則3分の2
詳細は補助金事務局で公開している「公募要領」もご確認ください。
開始からの申請締切日と採択結果発表日
申請締切日 | 採択結果発表日 | |
第1回 | 2021年4月30日 | 2021年6月16日 |
第2回 | 2021年7月2日 | 2021年9月2日 |
第3回 | 2021年9月21日 | 2021年11月30日 |
第4回 | 2021年12月21日 | 2022年3月3日 |
第5回 | 2022年3月24日 | 2022年6月9日 |
第6回 | 2022年6月30日 | 2022年9月15日 |
第7回 | 2022年10月5日 | 2022年12月15日 |
第8回 | 2023年1月13日 | 2023年4月6日 |
第9回 | 2023年3月24日 | 2023年6月15日 |
第10回 | 2023年6月30日 | 2023年9月22日 |
第11回 | 2023年10月6日 | 2024年2月13日 |
倉庫や工場に利用できる事業再構築補助金、その概要や要件とは?
「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援」することを目的として設立された「事業再構築補助金」。
正式名称を「中小企業等事業再構築促進事業」といい、コロナ禍を生き抜く中小企業を支える補助金として注目を集めています。
さらに、直近ではコロナ後の補助金として新規展開や事業展開など、事業再構築に意欲のある企業の挑戦を支援する補助金に加え、サプライチェーン強靭枠なども追加。
倉庫や工場を新たに建築・建設する際にも活用できます。
事業再構築補助金の第10回公募は2023年6月9日に公募を開始し、応募締切は2023年6月30日までとなっていますが、今後も公募が継続すると予想されています。
以降の公募については事業再構築補助金の公式ホームページにて詳細が発表されますので、ご検討の方は定期的に情報をチェックしておきましょう。
採択率などの傾向、利用するための要件について紹介していきます。
採択の傾向
事業再構築補助金は、外部有識者からなる審査委員会が公募時に提出する事業計画を評価し、より優れた事業計画を採択します。
なお、第1回公募の応募件数は2万2,231件(書類不備等を除いた申請件数は1万9,239件)で、そのうち採択企業は8,016件となり、採択率41.6%でした。
事業計画は、国が認定した認定経営革新等支援機関と策定する必要があります。
第1回公募時は認定経営革新等支援機関によっても採択率や不備率が大きく異なり、民間コンサルティング会社の採択率が47.6%と最も高評価で、続いて中小企業診断士・行政書士が47.4%、銀行など金融機関が45.3%、商工会・商工会議所は42.5%、税理士・公認会計士は32.2%となっています。
公募の際はどの認定経営革新等支援機関に支援を依頼するのか、しっかり検討することをおすすめします。
認定経営革新等支援機関の情報は、中小企業庁の検索システムで確認できますので、参考にしてください。
補助対象事業の要件
補助対象事業の要件については、第9回の公募まであった、コロナ以前の売上に対して減少している企業に対する「通常枠」が無くなりました。
その代わりに、名前を替えて「物価高騰対策・回復生成応援枠」が加わり、その他にもサプライチェーン強靭化枠なども創設されています。
申請する前には必ず最新の公募要項を確認するようにしてください。
次項より、公募枠の詳細について解説していきます。
事業再構築補助金の補助対象の経費、補助率・補助額もチェック!
当初は、新型コロナウイルス感染症による影響で、売上が下がった事業者などに向けた補助金でしたが、最近では、物価上昇対策や賃上げ対策などにも拡大しています。
第10回の公募要件では、第9回まで6つの事業類型だったものが、8つに拡大・変更されました。
各事業類型は以下の内容となります。
- 成長枠
- グリーン成長枠
- 卒業促進枠
- 大規模賃金引上促進枠
- 産業構造転換枠
- サプライチェーン強靭化枠
- 最低賃金枠
- 物価高騰対策・回復再生応援枠
それぞれの概要と補助対象経費、補助率・補助金額について見ていきましょう。
1.成長枠
成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業などを支援します。
■補助対象経費
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
■補助率
中小企業者等:1/2 (大規模な賃上げ※を行う場合は2/3)
中堅企業等: 1/3(大規模な賃上げ※を行う場合は1/2)
■補助金額
従業員数20人以下:100万円〜2,000万円
従業員数21〜50人:100万円〜4,000万円
従業員数51〜100人:100万円〜5,000万円
従業員数100人以上:100万円〜7,000万円
※事業終了時点で①事象場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。
2.グリーン成長枠
研究開発・技術開発または人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に対する取り組みを行う中小企業の事業再構築を支援します。
■補助対象経費
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
■補助率
中小企業者等: 1/2 (大規模な賃上げ※を行う場合は2/3)
中堅企業等: 1/3(大規模な賃上げ※を行う場合は1/2)
■補助金額
(エントリー)
中小企業等
従業員数20人以下 :100万円〜4,000万円
従業員数21〜50人:100万円〜6,000万円
従業員数51人以上:100万円〜8,000万円
中堅企業等 :100万円〜1億円
(スタンダード)
中小企業等:100万円〜1億円
中堅企業等:100万円〜1.5億円
※事業終了時点で①事象場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。
3.卒業促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業などから中堅企業などに成長する事業者に対して上乗せ支援をします。
■補助対象経費
成長枠・グリーン成長枠の補助対象経費に準じる。
※卒業促進枠の補助対象経費は、成長枠又はグリーン成長枠の補助対象経 費と明確に分ける必要があります。
同一の建物や設備等を、卒業促進枠と 成長枠又はグリーン成長枠との両方で対象経費とすることはできません。
■補助率
中小企業者等 :1/2
中堅企業等 :1/3
■補助金額
成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準ずる
4.大規模賃金引上促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対する上乗せ支援をします。
■補助対象経費
成長枠・グリーン成長枠の補助対象経費に準じる。
※卒業促進枠の補助対象経費は、成長枠又はグリーン成長枠の補助対象経 費と明確に分ける必要があります。
同一の建物や設備等を、卒業促進枠と 成長枠又はグリーン成長枠との両方で対象経費とすることはできません。
■補助率
中小企業者等 :1/2
中堅企業等 :1/3
■補助金額
100万円〜3,000万円
5.産業構造転換枠
国内市場縮小の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業などが取り組む事業再構築を支援します。
■補助対象経費
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、 廃業費
■補助率
中小企業者等:2/3
中堅企業等 :1/2
■補助金額
従業員数20人以下:100万円〜2,000万円
従業員数21から50人:100万円〜4,000万円
従業員数51から100人:100万円〜5,000万円
従業員数101人以上:100万円〜7,000万円
6.サプライチェーン強靭化枠
海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靭化および地域産業の活性化に取り組む事業者(製造業)への支援をします。
■補助対象経費
建物費、機械設備・システム構築費
■補助率
中小企業者等 :1/2
中堅企業等 :1/3
■補助金額
1,000万円〜5億円以内
※建物費がない場合は3億円以内
7.最低賃金枠
最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等が取り組む事業再構築に対する支援をします。
■補助対象経費
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門 家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、 広告宣伝・販売促進費、研修費
■補助率
中小企業者等:3/4
中堅企業等:2/3
■補助金額
従業員数5人以下:100万円〜500万円
従業員数6〜20人:100万円〜1,000万円
従業員数21人以上:100万円〜1,500万円
8.物価高騰対策・回復再生応援枠
状況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業など、原油価格・物価高騰などの影響を受ける中小企業などへの事業再構築を支援します
■補助対象経費
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
■補助率
中小企業者等:3/4
中堅企業等:2/3
■補助金額
従業員数5人以下:100万円〜1,000万円
従業員数6〜20人:100万円〜1,500万円
従業員数21〜50人以上:100万円〜 2,000万円
従業員数51人以上 :100万円〜3,000万円
倉庫や工場で事業再構築補助金を利用する際の手続き方法は?
事業再構築補助金を利用する際の申請方法や手続き方法、必要書類などをご紹介します。
申請方法の流れ
申請方法の流れは次の通りです。
①事業計画を策定
認定経営革新等支援機関と事業計画を策定します。
②電子申請
事業再構築補助金の申請は電子申請のみとなります。
③採択通知
事業再構築補助金関連機構より採択通知を受け取ります。
④補助金交付申請
補助対象経費の精査後に補助金交付申請を行います。
⑤補助金の交付決定
事業再構築補助金の交付が決定します。
申請から交付決定まで、約2〜3カ月かかります。
⑥補助事業の実施・実績報告
事業を完了した際は、完了日から30日を経過した日、又は事業完了期限日のいずれか早い日までに、補助事業実績報告書を提出します。
⑦確定検査
交付額を確定します。
⑧補助金の請求・支払い
事業者は事業再構築補助金関連機構へ補助金の請求を行い次第、補助金が支払われます。
申請に必要な書類
事業再構築補助金を申請するには、さまざまな提出書類を用意する必要があります。
また、サプライチェーン強靭化枠については、一部異なる申請書類があるのでご注意ください。
ここでは、主な必要書類について紹介します。
- 事業計画書
- 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
- 決算書
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
- 従業員数を示す書類建物の新築が必要であることを説明する書類
その他、それぞれの事業類型ごとに必要な書類があります。
期限までに用意できるよう、あらかじめ準備しておきましょう。
戦略倉庫では、この「事業再構築補助金」を利用した工場建設事例が複数あります。
概要をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【事業再構築補助金採択事業】プラント機工株式会社様 石狩第2工場増築工事(北海道石狩市) 設計 / 施工
【事業再構築補助金採択事業】株式会社内池の不動産 地方創生型シェアオフィス「THINK M」 新築工事(北海道室蘭市) 設計 / 施工
倉庫や工場の建築・建設には事業再構築補助金が利用できる!
新型コロナウイルス感染症の影響で当面の需要や売り上げの回復が難しい中小企業などに対して支援を行う「事業再構築補助金」ですが、最近では補助内容が拡大されています。
新規展開や事業展開など事業再構築に意欲のある企業の挑戦を支援する補助金のため、倉庫や工場を新たに建築・建設する際にも活用できます。
さらに、国内サプライチェーンおよび地域産業の活性化に取り組む事業者(製造業)への支援として「サプライチェーン強靭化枠」も追加され、8つの事業類型での支援が可能となりました。
申請には事業計画書などさまざまな書類が必要になるため、余裕をもって行いましょう。
また、事業再構築補助金は一部を除き採択決定から14カ月以内、交付決定から12カ月以内が補助事業期間となります。
事業期間中に建物の完成や代金の支払いを完了する必要があります。
長期間の工期を要する建物においては、シビアな期間となるケースも多く、事前の計画性が求められますので注意しましょう。
北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、戦略倉庫までお気軽にお問い合わせください!