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2024.03.10
クリーンルームは半導体工場の必要設備!仕組みや適切な運用のポイント
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
クリーンルームは、精密機器や食品などの工場で品質維持に欠かせない設備の一つです。
もちろん、半導体工場でもクリーンルームは重要な設備!
今回は、半導体工場におけるクリーンルームについて解説します。
クリーンルームの仕組みや半導体工場における必要性、半導体工場に求められるクリーンルームの性能などをお話ししますね。
また、半導体工場だけでなく、クリーンルームが必要な業種についても解説しますので、工場建設を検討している方もぜひご覧ください。
半導体工場のクリーンルームとは?なぜ必要?
クリーンルームとは、空気清浄度を厳重に管理して、空気中に浮遊するゴミやチリの量を一定以下に保っている部屋のことを指します。
日本語で防塵室(ぼうじんしつ)と表すこともあります。
精密機器である半導体は、製造過程で異物が混入すると品質が低下し、不良品が発生してしまいます。
そこで、空気清浄を管理したクリーンルーム内で作業することで異物混入を防ぎ、製品の品質低下を防ぐのです。
ここでいう異物とは、チリやほこり、ゴミなどのほか、目に見えないレベルの微小粒子や微生物なども含まれます。
そのほか、半導体工場では繊維くずや金属片などの異物混入にも注意が必要です。
製品の品質低下を防ぐためのクリーンルームは、半導体を含む精密機器や電子機器のほか、食品、医療品などの工場でもよく活用されています。
業種や製品によって必要な清浄度が異なるため、必要に応じて湿度や温度、気圧などが管理されています。
半導体工場のクリーンルームの仕組み
クリーンルームで清浄度を保っている仕組みを簡単に説明すると、以下の2点がポイントです。
- 室内に空気を取り込む際、超高性能フィルターで浄化して異物の侵入を防ぐ
- 室内の空気循環で異物を排除する
クリーンルームは、クリーンルームパーティションと呼ばれる専用のパーティションで壁・床・天井などが構成されています。
また、空気循環の方式は「垂直一方向流方式」と「乱流方式(非一方向流方式)」の2種類があります。
それぞれご説明しましょう。
垂直一方向流方式
クリーンルームの上部にファンを取り付け、清浄な空気を上から床面に向かって一方向で流す方式です。
ダウンフロー方式とも呼ばれています。
清浄効果が高いため、半導体工場では主にこの方式が採用されています。
ただし、初期コストとランニングコストが高く、あとからクリーンルームを拡張しにくいという注意点があります。
乱流方式(非一方向流方式)
壁の一部に排気口を設置して室内の空気を室外に押し出すとともに、空気を循環させて室内の微粒子を希釈し、清浄度を保つ方法です。
コンベンショナル方式とも呼ばれています。
垂直一方向流方式と比較して清浄度は劣りますが、初期費用やランニングコストが抑えられるといったメリットがあります。
半導体工場のクリーンルームはどの程度の「クラス」が必要?
クリーンルームの清浄度は、空気中の不純物の量で「クラス」という単位で分けられています。
よく使われる国際規格としては「ISO規格」が有名ですが、半導体業界では以前より使われている米国連邦規格「FED規格」が主流です。
ただし、徐々にISO規格にも移行しています。
FED規格では、1立方ft(30.5㎤・28.3L)あたりの空気中に、0.5μm以上の大きさの粒子がいくつ含まれるかでクラス分けがされます。
粒子が1,000未満であれば1,000クラス、10小未満であれば10クラスです。
半導体工場で求められるクリーンルームの清浄度は、クラス1~100レベルととても厳しいものになっています。
半導体工場のクリーンルームを適切に運用するために
半導体工場において、クリーンルームの適切な運用は品質維持のために重要なポイントです。
クリーンルームの清浄度を保つための4原則を覚えておきましょう。
- 異物を持ち込まない
- 異物を発生させない
- 異物を堆積させない
- 異物を排除する
例えば、入室前にはエアシャワーで体に付着した異物を取り除く、室内で使う道具などは専用品として異物の発生が少ないものを使う、空気循環を妨げずに迅速に異物を排除するといったことです。
また、クリーンルームの設計や給排気経路、換気計画はもちろん、そこへ通じる通路や更衣室などの設計も、清浄度の維持に影響します。
そして、高い洗浄度を維持するクリーンルームの設置・運用には大きなコストもかかります。
クリーンルームの設計・設置には、クリーンルームの専門知識やノウハウを持つ業者へ相談するのが良いでしょう。
なお、北海道の千歳市では半導体工場の建設が進行中です!
立地や環境の良さから千歳の工業団地が再注目されています。
こちらのコラムでもご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
工場建設は千歳が人気!千歳の魅力や主な工業団地、戦略倉庫の実績も
半導体工場のクリーンルームは品質維持に重要な設備
クリーンルームとは、室内の清浄度を一定以上に管理している部屋のこと。
空気中の異物を一定以下に抑え、商品の製造過程での異物混入を防ぐことで、品質低下を防ぎます。
精密機器である半導体は、目に見えないレベルの微小粒子などが混入しても不良品になってしまう可能性があります。
そのため、半導体工場にはクリーンルームは欠かせない設備なのです。
クリーンルームは、超高性能フィルターで異物の侵入を防ぎ、さらに空気循環で異物を排除する仕組みです。
半導体工場では清浄効果の高い垂直一方向流方式が採用されています。
クリーンルームの清浄度は空気中の純物の量でクラス分けがされ、半導体工場ではクラス1~100といった高いレベルが求められます。
クリーンルームの設置・設計には専門的な知識が必要となるため、計画時にはノウハウを持つ業者へ相談することをおすすめします。
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