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2024.10.20
工場の耐用年数は?寿命の延ばし方や寿命の場合の対応の選択肢
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
稼働中の工場はできるだけ長く使用したいものですが、工場の耐用年数はどのくらいあるのかご存じですか?
耐用年数の考え方には3種類あり、法律での基準と実際の寿命は異なることも多いです。
今回のコラムでは、工場の耐用年数や実際の寿命を解説します。
寿命が来た状態の見極め方や、その場合の対応方法などもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
工場の耐用年数や実際の寿命はどのくらい?
工場の耐用年数を考える際には、以下の3つの観点があることをまず押さえましょう。
- 法定耐用年数
- 経済的耐用年数
- 物理的耐用年数(耐久年数・寿命)
法定耐用年数
法定耐用年数とは、税務上の減価償却費を計算するために法律で定められた年数のこと。
減価償却とは、建物などの資産の取得費用を一度に経費にするのではなく、複数年に分割して経費計上する会計処理のことです。
法定耐用年数は建物の用途や構造によって異なり、工場は木造で15年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造で38年、鉄骨造では骨格材の厚みにより17~31年となっています。
これは、国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」に記載されています。
ただし、法定耐用年数は、建物が実際に何年使えるかという年数ではありません。
建物そのもの以外、設備にもそれぞれ法定耐用年数が定められています。
減価償却の方法も解説していますので、こちらのコラムもぜひご確認ください。
経済的耐用年数
経済的耐用年数は、工場を使用して得られる利益と維持するためのコスト(修繕費など)のバランスから設定される年数です。
工場の維持管理コストが建て替え費用を上回ってしまうまでの年数が、経済的耐用年数といえます。
物理的耐用年数(耐久年数・寿命)
物理的耐用年数は、工場が実際に使用可能な期間、いわゆる「寿命」を指します。
建設会社などが独自の調査に基づいて、物理的に問題なく使用できる目安の年数などを設定しています。
具体的な年数は、建物の構造や使用状況、メンテナンス状況、立地や自然災害などの個別事情によっても異なりますが、法定耐用年数や経済的耐用年数よりも長くなることが一般的です。
例えば、鉄骨造・鉄筋コンクリート造の工場は、適切なメンテナンスを行えば50~100年程度は使用できるともいわれています。
なお、工場の実際の寿命を考える際には、年数だけでなく、工場の実際の状態を適切に評価することが重要です。
工場の寿命の見極め方とは?寿命がきた場合の対応方法も解説
工場の経済的耐用年数は、工場の寿命がきたタイミングの一つと考えて良いでしょう。
具体的には、工場の劣化や老朽化が進み、工場を稼働させるための修繕費用やメンテナンス費用が、工場運営による利益を上回ってしまう、または建て替え費用を上回ってしまうような場合です。
通常の劣化や老朽化では、工場を修繕して使用を続けるものですが、そのメンテナンスコストがあまりにも大きく、それによって赤字になるのであれば、寿命を迎えているといえるでしょう。
老朽化した工場を放置するリスクや、修繕・建て替え時期の目安などは、こちらのコラムでも解説しています。
寿命になった工場の対応方法
工場が寿命と判断した場合において、その後の対応の選択肢をご紹介します。
建て替える
引き続き工場を運営するためには、工場を建て替える必要があります。
建て替えを機に最新工法などを取り入れ、耐久性が高く高性能な工場にすることも検討してみましょう。
戦略倉庫でも状況に応じて、「システム建築の工法」をご提案しています。
システム建築とは、設計や素材、生産などすべてがコンピューターでシステム化されている工法のことです。
仕様や検討事項が標準化されているため、一定化された高品質の建築が低コスト・短納期で高品質な工場を建てることが可能になります。
システム建築のメリットや在来工法との違いは、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。
システム建築のメリット・デメリットを解説!在来工法との違いも
売却する
売却する選択肢では、現状の建物のまま売却するケースと、建物を解体して土地として売却するケースがあります。
老朽化して寿命を迎えた工場をそのまま売却するのは、買い手を見つけるのが難しいかもしれません。
ただし、更地にして売却する場合には工場の解体費用がかかることに注意しましょう。
ほかの用途で活用する
工場としては寿命を迎えていても、ほかの用途になら修繕によって活用できる可能性もあります。
例えば、ショールームや店舗、倉庫のほか、そのような用途で他社へ貸し出すケースもあります。
工場の耐用年数(寿命)の延ばし方もチェック!
適切なタイミングで必要なメンテナンス・修繕を行うことで、工場の寿命は延ばすことができます。
定期的に点検、メンテナンス、修繕を行えば、建物の劣化スピードを緩やかにできるでしょう。
メンテナンスコストがかかったとしても、劣化が著しく進んで大規模に修繕したり、建て替えたりするよりは、長期的なコストを抑えられる可能性が高いです。
定期的な点検には、文部科学省の「点検チェックリスト」を活用するのもおすすめです。
部位ごとの点検項目、劣化の判断基準などが記載されています。
また、自己点検だけでなく、専門家による点検や診断を受けることも重要です。
自己点検では確認しづらい構造や基礎、屋根部分の状態を把握し、必要なメンテナンスの具体的なアドバイスなども受けることができます。
工場の耐用年数(寿命)は適切なメンテナンスで長持ちさせられる
工場の耐用年数の考え方には、「法定耐用年数」「経済的耐用年数」「物理的耐用年数(寿命)」の3つの観点があります。
法定耐用年数は税務上の基準で、用途や構造ごとに年数が決まっています。
経済的耐用年数は維持管理コストと利益のバランスによる基準、物理的耐用年数は建物を実際に使用できる寿命を指します。
物理的耐用年数は法定耐用年数や経済的耐用年数より長いことが多く、適切なメンテナンスを施すことで工場を長持ちさせることは可能でしょう。
寿命を迎えた工場は、建て替えや売却、ほかの用途への転用などの選択肢を検討してみてください。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。