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2023.01.06
倉庫や工場のコンクリート床がひび割れ!原因や補修、予防方法を解説
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫や工場のコンクリート床にひび割れがあるのを見たことはありませんか?
軽微なひび割れだからといって放置しているとひび割れがさらに広がり、ダメージの拡大や建物の劣化につながってしまうこともあるので要注意!
今回は、倉庫や工場のコンクリート床がひび割れする原因と補修方法を解説します。
コンクリート床のひび割れで悩んでいる方、ひび割れの心配がある方はぜひご覧ください。
倉庫や工場のコンクリート床がひび割れする原因
「倉庫や工場のコンクリート床にひび割れ(クラック)ができてしまった!」という声は少なくありません。
原因や、ひび割れの種類について、まず確認していきましょう。
倉庫や工場のコンクリート床がひび割れする原因
コンクリート床がひび割れする原因としては、主に以下の4つが考えられます。
①乾燥による収縮
コンクリートは内部に水分を含んでいるため、乾燥が進んでその水分が蒸発するとコンクリートが収縮し、ひび割れが起こる可能性があります。
乾燥は、コンクリートのひび割れの原因としてもっとも多いといわれています。
②気温変化による収縮
コンクリートは高温で膨張、低温で収縮する性質を持っています。
急激な気温の低下があると収縮し、その収縮する力がコンクリートの強度を超えるとひび割れが起こる可能性があります。
夏に施工されたコンクリートで起こるケースも多いです。
③地盤沈下による圧力
平面にコンクリートを施工している土間コンクリートの場合、柱や梁(はり)で支える構造になっていないため、床自体の重さなどで地盤沈下を起こしてしまう可能性があります。
その際に床が傾いたり、たわんだりして圧力がかかり、ひび割れが発生してしまいます。
④施工不良による強度不足
コンクリートの厚みや強度が不足しているなど建築時点の基礎施工に問題があると、地震などの圧力や経年劣化などでひび割れが起きやすくなってしまいます。
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れの原因は一つではなく、経年劣化や地震などのダメージに上記の原因が重なり合って発生することが多いです。
ひび割れの予防をするには種類を知ることも大事!
ひび割れは、その程度や内容によって2つの種類に分類されています。
ヘアクラック
コンクリートの表面に走った、髪の毛のような細いひび割れです。
目安として幅0.3mm、深さ4mm以下のものを指し、比較的軽微なひび割れとされています。
経年劣化や乾燥などで自然に発生してしまうケースが多いです。
構造クラック
コンクリートの表面だけでなく、反対面にまで貫通しているひび割れです。
貫通クラックとも呼ばれます。
ヘアクラックの目安サイズ以上のひび割れは構造クラックである可能性が高く、早めの補修対応が必要です。
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れは放置NG!
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れは、軽微なものだとしても放置をしてはいけません。
ひび割れがあると美観を損ない、見た目やイメージが悪くなってしまいます。
そして、軽微なひび割れであってもそこから水や空気が入り込み、ひび割れの拡大、内部のカビやサビ、腐食の原因となって、建物自体の劣化や強度の低下にもつながります。
また、構造クラックであったり、地盤沈下を原因としたひび割れであったりする場合、さらに進行して床の崩壊や建物の損壊などの大事故につながる危険もあります。
コンクリート床のひび割れを見つけたら放置をせず、すぐに補修などの対処をしましょう。
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れの補修方法
軽微なヘアクラックの場合は、市販されているクラック補修材などを塗布し、自分で補修することも可能です。
クラック補修材はスプレータイプやペンタイプ、塗布タイプなどさまざまな種類があり、ホームセンターで購入できます。
構造クラックなど程度の大きなひび割れの場合は、業者へ補修を依頼することをおすすめします。
その場合には、以下のような補修方法があります。
被覆工法
コンクリート表面を保護する被覆材で床をコーティングする方法です。
コンクリート床の強度を上げ、劣化や損耗を防ぎます。
注入工法
ひび割れに樹脂系やセメント系の材料を注入して埋める方法です。
コンクリートの防水性や耐久性の向上にもつながります。
充てん工法
ひび割れに沿ってコンクリート表面をU字やV字にカットし、そこへシーリング剤やポリマーセメントモルタルなどの補修剤を詰めて埋める方法です。
幅0.5mm以上の大きなひび割れの補修に有効です。
ひび割れの程度が重篤な場合は、ひび割れたコンクリートを撤去して新たにコンクリートをうち直すこともあります。
また、倉庫や工場の床は強度が求められるため、やわらかいシール材を充てんして表面を補修するのはあまり向きません。
シール材が動いてしまい、その上の塗装被膜が破れたり浮いたりしてしまうからです。
なお、地盤沈下が原因のひび割れの場合は、表面のひび割れを補修しても根本的な解決にはなりません。
沈下修正や床下空洞調査の専門業者に調査を依頼し、根本解決を測りましょう。
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れを防止するには?
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れを防止するために考えるべきことは2点あります。
施工時の工夫
まず1つ目は、コンクリート床の施工時にひび割れを防ぐ工夫をすること。
具体的には、施工後の乾燥収縮によるひび割れを防ぐために、セメントと水の配合割合、混和剤、膨張剤、収縮低減剤などの配合割合に留意が必要です。
また、コンクリートの工区を分割し、適当な間隔で目地を設けることで、床全体の収縮ひずみを小さくすることができます。
施工後の処置
2つ目は、施工後に塗装やコーティングをして劣化によるひび割れを防ぐ処置をすること。
倉庫や工場の目的に合わせた塗装やコーティングをすることで、コンクリート床の劣化を防ぎ、強度を上げることができます。
塗装やコーティングは一度行って終わりではなく、定期的にメンテナンスすることをおすすめします。
倉庫の床の強度基準や塗装のメリットについては以下のコラムでも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
倉庫の床荷重(床の強度)基準をチェック!検査済証が重要な理由も
工場・倉庫の床を塗装で仕上げるメリット!塗床の種類や依頼時のポイントも
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れは早めに対処を!
倉庫や工場のコンクリート床のひび割れ(クラック)はよく起こるものです。
ひび割れの原因として考えられるものは、乾燥や温度変化による収縮、地盤沈下による圧力、施工不良による強度不足など。
経年劣化や地震のダメージなど、複数の原因が重なり合ってひび割れが発生します。
軽微だからといって放置していると、ひび割れのさらなる拡大や建物の強度への影響などがあるため、放置は危険です。
ひび割れの補修は、被覆材でのコーティングのほか、補修剤などでひび割れを埋める方法があり、軽微なヘアクラックはクラック補修材などで自分で補修も可能ですよ。
コンクリート床のひび割れ防止には、床の施工時点でセメントと水、収縮低減剤などの薬剤の配合割合に留意すること、施工後には床の保護や強度向上のための塗装やコーティングをすることなどをおすすめします。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
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