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2024.07.02
工場・倉庫の床を塗装で仕上げるメリット!塗床の種類や依頼時のポイントも
こんにちは!北海道〜東北の工場・倉庫の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
工場や倉庫の床を適切に塗装することは、安全性や生産性、品質アップに欠かせないポイントの一つです。
そこで今回のコラムでは、工場や倉庫の床の塗装について解説したいと思います。
工場・倉庫の床を塗装で仕上げるメリットや、よく使われる塗料の種類と特徴、床の塗装を依頼する際にチェックしておくポイントなどをご紹介。
工場・倉庫の建設時には、ぜひ床の仕上げ塗装についても検討してみてください。
工場・倉庫の床を塗装仕上げにするメリットを確認!
工場・倉庫の床を仕上げ塗装することを、塗床(ぬりゆか)といいます。
塗床は環境や用途に合わせた床専用の塗料を、特別な工法で下地コンクリートに塗り付けて仕上げる塗装です。
工場・倉庫の床を塗床にすることには以下のようなメリットがあります!
- 床の劣化を防ぐ
- 作業員の転倒を防ぐ
- 耐久性を高める
- 粉じんの発生を防ぐ
- 作業効率を高める
- 清掃しやすくなる
まず、床の劣化を防げることが大きなメリットです。
ひび割れ、削れ、凹凸などを防ぐことで、作業員の転倒を防いで安全性がアップ。
運搬中の資材や品物の落下・破損を防ぐことにもなります。
耐久性が高ければ、床の修繕費も抑えることもできますよ。
なお、コンクリートの床は意外と削れやすいもので、削れた粉じんが品物や機械に混入してしまっては品質低下や故障などの原因になることもあります。
床を塗装することは、床の粉じんを防止し、品質管理や衛生管理にもつながるのです。
また、エリアや通路ごとに床の色を変えたり、ラインを引いたりすることで、それぞれのエリアを区別することも可能です。
作業場所や保管場所、動線の判断がしやすくなって、作業効率がアップするでしょう。
さらに、塗料によっては、床に液体が浸透するのを防いだり、汚れの除去が簡単になったりする場合もあります。
ひび割れのないきれいな塗装床なら、清掃もしやすくなりますよ。
工場や倉庫の床のひび割れにお悩みの方は、下記のコラムでも原因や対策について、詳しく解説していますので、ぜひご覧ください!
倉庫や工場のコンクリート床がひび割れ!原因や補修、予防方法を解説
工場・倉庫の塗床(床の仕上げ塗装)に使う床用塗料の種類をご紹介
塗床では一般的なペンキは使用せず、塗る工法も異なります。
塗床に使う床用塗料は、塗る厚さ・用途によって「薄膜タイプ」「厚膜タイプ」の2種類に分かれます。
それぞれ、以下のような特徴があります。
- 薄膜タイプ:ローラーで塗る。美粧や防じんを求める場所や、リフトなどの作業車は通らない場所に使用する
- 厚膜タイプ:コテで塗る。厚み0.8mm以上に適しており、重ね塗りをする。耐久性や機能性を求める場所に使用する
薄膜タイプは塗り付け回数が厚膜タイプに比べると少ないので、工期が短くなり、コストも抑えられるという特徴もあります。
ここからは、薄膜タイプ、厚膜タイプに使われることが多い塗料をご紹介します。
薄膜タイプに使われる塗料
薄膜タイプに使われる塗料には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂があります。
エポキシ樹脂
工場・倉庫の床塗装にもっともよく使われる塗料で、病院の床などにも採用されており、さまざまな現場に対応できるのが特徴です。
耐摩耗性、耐衝撃性に優れ、床面の強度を上げつつ、塗料の中では比較的リーズナブルなことも利点。
膨れ防止の特徴もあり、滑らかで光沢のある美しい床面に仕上げます。
しかし、ほかの塗料と比べて耐久性や耐熱性は低いのがデメリットです。
耐熱タイプではない場合、対応できるのは60℃程度までになります。
60℃を超えるような機械や製品、原料などを扱う場合には、塗膜軟化が起こりやすいため注意してください。
ウレタン樹脂
耐久性、耐熱性に優れていて強度があり、衝撃や薬品にも強い塗料です。
クラック(ひび割れ)も起こりにくいので、重たい物を運んだり、作業機械を設置したりする工場でも有用です。
価格はエポキシ樹脂よりもやや高価ですが、水性塗料の場合は、においも気にならず安心ですよ。
塗装前の下地処理が不十分なときは、剥離が起こりやすいので注意が必要。
塗料の種類によっては汚れが付着したり、カビが発生しやすくなったりします。
また、仕上げには乾燥させる必要があり、湿度60%以上または0℃以下の環境では作業ができません。
アクリル樹脂
塗料の種類の中ではもっとも高価ですが、耐久性が高く、エポキシ樹脂のおよそ5倍もあります。
耐摩擦性、耐薬品性、絶縁性の高さに加え、仕上がりの美観が良いのもメリット。
施工後1時間ほどで硬化するので、塗装作業をした当日中にも工場・倉庫を使用できます。
デメリットは鋭利な物体を落としたりすると傷がつきやすいこと、90℃以上の熱湯がかかると膨れができやすいことです。
厚膜タイプに使われる塗料
厚膜タイプに使われる塗料には、エポキシ樹脂、硬質ウレタン樹脂、水性硬質ウレタン樹脂、MMA(メタクリル)樹脂、ビニルエステル樹脂があります。
エポキシ樹脂
薄膜タイプに使われる塗料でもご紹介しましたが、工場・倉庫の床塗装にもっともよく使われる塗料で、さまざまな現場に対応できるのが特徴です。
耐摩耗性、耐衝撃性に優れ、床面の強化、光沢があり美しく仕上がり、塗料の中では比較的リーズナブルなことも利点。
耐久性や耐熱性は低いので事務所や廊下に使われることが多いですが、何度も重ね塗りをして塗装の厚みを出すことで工場の床にも採用できます。
ただし、重ね塗りをする場合は硬化が遅くなるため、工期が長くなります。
硬質ウレタン樹脂
薄膜タイプに使われる塗料でもご紹介したウレタン樹脂を改良したのが、硬質ウレタン樹脂です。
エポキシ樹脂系の耐久性とウレタン樹脂系の軟性をあわせ持っています。
耐衝撃性と耐薬品性を備えており、下地のコンクリートのひびの影響を受けにくいクラック追従性に優れています。
水性硬質ウレタン樹脂
硬質ウレタン樹脂をさらに水性に特化したのが水性硬質ウレタン樹脂です。
硬質ウレタン樹脂の耐衝撃性、耐薬品性に加え、耐熱性もアップ。
種類によっては100~120℃の高温に耐えられるものもあり、ほぼすべての屋内施設に対応可能です。
MMA(メタクリル)樹脂
施工してから1時間で歩けるなど硬化速度が非常に速いのが特徴です。
また、-20℃でも硬化するため、冬場でも作業が可能です。
耐衝撃性や、酸やアルカリに対して優れた耐久性を発揮。
低臭タイプもありますが、施工時に臭気が発生するのがデメリットです。
ビニルエステル樹脂
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂よりさらに耐薬品性に優れている塗料。
また、酸やアルカリに対して、長期にわたり抜群の耐久性を発揮します。
エポキシ樹脂よりも硬化速度が速い・低温硬化性があるほか、耐水性にも優れています。
施工時に臭気が発生する点がデメリットです。
塗料によって価格が違うのはもちろん、特徴や効果、メリット・デメリットも異なるので、工場・倉庫での作業や扱っている品物の特性に合わせた塗料を選ぶことが大切です。
工場・倉庫の塗床(床の仕上げ塗装)前にチェックしておくポイント
工場・倉庫の塗床(床の仕上げ塗装)を業者に依頼する際は、以下のような点を確認するようにしましょう。
工期
施工の広さや塗料の種類(乾く時間)によっても異なりますが、約1〜3日が目安です。
すぐに工場・倉庫を使いたいなら、超速乾の特徴を持つアクリル樹脂の塗料を採用するのも良いでしょう。
すべての床で仕上げが終わるのを待つのではなく、乾いた場所から順に使用していくこともできます。
下地処理の有無
塗装前の下地処理が丁寧に行われていないと、塗膜がはがれやすくなってしまい、短いスパンで補修や再塗装が必要になってしまうこともあるでしょう。
工場・倉庫の床は、施設の大部分を占め、作業中の人や品物が通り、機器などが設置される重要な部分。
床の塗装については、専門知識や技術をしっかり持っている業者へ依頼することをおすすめします。
業者の塗装実績
さまざまな工場や倉庫での塗装実績がある業者であれば、適切な塗料を選んでもらいやすいです。
どんな作業を行う工場なのか、どんな品物を保管する倉庫なのかということを業者へ伝え、それぞれの工場・倉庫に必要な性能や効果を持っている塗料を選んでもらいましょう。
工場・倉庫の種類に合わせて塗床(床の仕上げ塗装)を考えよう
工場・倉庫の床を塗装することは、床の劣化を防ぐのはもちろん、従業員の転倒防止や運搬する資材や品物の落下・破損防止になります。
床の粉じんを防ぐことで、機械の故障リスク低減や扱う品物の品質・衛生管理にもつながります。
また、塗装でエリアや通路の区切りをわかりやすくすることで、生産性アップなどのメリットがあります。
工場や倉庫の塗床(床の仕上げ塗装)の塗料には薄膜タイプ、厚膜タイプがあり、工法を変えることで、どちらにも使える塗料があります。
塗料はそれぞれ特徴や効果、メリット・デメリットなどが異なりますので、工場・倉庫に必要な性質は何かを判断して選ぶと良いでしょう。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な工場や倉庫を短納期で建築可能です。
北海道や東北で工場・倉庫の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。