LABO

2024.10.15

倉庫や工場の防災対策を詳しく解説!BCP対策も紹介

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

倉庫や工場で、火災や水害、地震などの災害の被害が出ると、自社の経営や取引先だけではなく、社会全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。

そのため、倉庫や工場での防災対策は必須です。

 

そこで今回のコラムでは、倉庫や工場での防災対策について解説!

防災対策の必要性や取り組んでおくべき対策、防災対策の効果を最大化するための注意点などをお伝えします。

 

災害はいつ発生するかわからないものですので、事前にしっかり準備をしておきましょう。

工場火災
戦略倉庫の実績バナー

ここに目次が入ります

 

 

倉庫や工場の防災対策の必要性を解説!BCP対策も重要

災害と一言で言っても、台風や洪水などの水害、地震、火災など、さまざまなパターンがあり、防災対策は災害の種類によっても異なるため、幅広い知識を得ておくことが求められます。

 

倉庫や工場が災害で大きな被害を受けると、製造や出荷が中断され、企業の経営にも多大な影響を及ぼします。

 

また、倉庫や工場からつながる物の流れ(物流)がストップしてしまうと、関連企業の連鎖的な経営悪化や生活インフラへの影響など、社会全体へ大きな影響が生じる可能性もあるでしょう。

 

そのため、倉庫や工場における防災対策は、自社の経営を守ると同時に、社会インフラを守るためにも重要なのです。

 

災害が起こっても大きな被害を受けずに、できる限り業務を止めない、そして万が一の際には早期に復旧できるようにすることが、企業の責任として求められています。

 

このような背景から、近年注目されているのがBCP対策です。

 

BCP対策とは

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、日本語では事業継続計画といいます。

災害などの緊急時に、損害を最小限に抑え、事業を継続または早期に復旧するための計画です。

 

BCPの主な目的は、災害時に事業を止めずに継続させること、万が一停止した際には速やかに復旧させることで、そのための体制を構築します。

 

従来の防災対策は、例えば地震に対する耐震補強や避難経路確保など、防災と初動確保に焦点をあてたものでした。

しかし、BCP対策は最終的な事業継続を目指すものであり、BCP対策の中に従来の防災対策が含まれているといえるでしょう。

 

なお、BCP対策を作成する際には、以下の4つのフェーズがポイントとなります。

 

①防災対策

ハザードマップの確認や耐震・遮水対策など、災害発生前に行う対策の計画です。

 

②発生直後の措置

災害発生時に適切な行動をするための計画です。

「誰が・いつ・どこで・何を」行うのか指揮命令系統を明確にすることが大切。

 

③事業継続

災害発生後も事業を継続するための計画です。

代替的な拠点や物流ルートの確保などが含まれます。

 

④復旧対策の実行

通常の事業活動を再開するための対策です。

 

 

倉庫や工場の具体的な防災対策をご紹介!

作業員

倉庫や工場で実施すべき具体的な防災対策について、災害別に確認していきましょう。

 

水害対策

台風や洪水などで起こる浸水による水害は、大きな被害をもたらします。

また、近年大きな台風も増えていることから、注目されている対策です。

 

水害対策としては、建物の防水工事の実施や、土のうや止水パネルの準備と使用訓練、重要な設備や商品の上層階への移動などが効果的です。

 

防水工事についてはコストがかかりますが、水害発生時の被害を軽減できる可能性が高いため、長期的な視点で検討することをおすすめします。

 

倉庫や工場の水害対策についてはこちらのコラムでも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

倉庫や工場が取り組むべき浸水対策とは?水害への対処法

 

 

台風対策

台風が上陸すると、水害だけでなく強風による被害も大きいです。

 

屋根や外壁にひび割れ・剥がれなどがあると、破損につながったり、壊れた破片が飛んで行って他者や他の建物へ被害が及んでしまったりする恐れがあります。

 

そのため、定期的に状態を確認し、修繕や再塗装などのメンテナンスを行うこと、劣化が激しければ屋根の葺き替えや外壁の張り替えを行うことが重要です。

 

強風で飛ばされてきたものがぶつかって窓やシャッターが壊れる被害は多いので、強度の高い窓やシャッターに交換したり、窓にカバーやシャッターを付けたりする対策も検討すると良いでしょう。

 

詳しい台風対策は、以下のコラムもぜひチェックしてみてください。

工場・倉庫の台風対策とは?被害事例についても解説

 

地震対策

まずは、建物の耐震性のチェックと、その結果に応じた耐震補強が不可欠です。

特に築年数の経過した倉庫や工場は定期的な耐震チェックを行い、問題がある場合は速やかに補強工事を実施する必要があります。

 

また、棚や機器の固定も重要です。

地震で棚が倒壊したり機器が移動すると、商品や機器が破損したり、従業員が下敷きになってケガをしたりしてしまいます。

棚や機器は壁面に固定したり、危険度に応じて配置を見直したりしましょう。

 

免震構造を持つ段積みラックの導入も効果的です。

さらに、棚の高所に収納している商品には落下防止措置を講じておきましょう。

 

倉庫や工場での地震によるリスクや、具体的な対策例をこちらのコラムで詳しく解説しています。

倉庫・工場での地震対策とは?地震リスクや対策例も確認!

 

火災対策

火災対策は、出火防止と延焼防止の2つの観点から行います。

 

倉庫や工場での主な出火原因は、配線器具からの出火です。

老朽化した配線の点検・交換や、レイアウト改善で配線の上を車両や人が通らないようにして、出火原因となる配線の劣化などを防ぎましょう。

 

延焼防止策としては、区画ごとの大型防火シャッターの設置や、スプリンクラー、消火栓、消火器の適切な配置と定期点検などが挙げられます。

 

水害・台風・地震・火災・などすべての災害に共通する対策

以下のような対策は、どのような災害への対策としても整えておきたいものです。

  • 避難経路の確保
  • 防災マニュアルの作成と周知
  • 定期的な防災訓練
  • 防災グッズや備蓄品の用意
  • 保険の加入と定期的な見直し

 

災害対策の基本は、従業員の安全確保です。

避難通路の確保をし、周知のために定期的な防災訓練を欠かさないようにしましょう。

 

防災訓練は防災マニュアルをもとに実施し、改善すべき点がないかなどもチェックを。

 

また、災害で従業員が帰宅できない場合に備え、水や非常食、ラジオ、ライト、毛布といった防災グッズを準備しておきましょう。

 

そして災害が起きた際には、倉庫や工場、保管している商品の被害の補償も重要です。

保険の内容が適切かなどを定期的に見直しましょう。

 

火災保険については以下のコラムでもご説明しています。

倉庫に火災保険は必要?火災保険の補償対象や保険金の目安を紹介

 

 

 

倉庫や工場の防災対策の注意点

ヘルメット

防災対策やBCP対策を策定しても、いざというときに機能しなければ意味がありません。

 

そのため、普段からの準備が大切です。

 

平時から整えておきたい点として、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 定期的な防災訓練の実施
  • 複数の状況を想定したシミュレーション
  • ハザードマップの確認と把握
  • 定期的なBCPの更新

 

定期的な防災訓練の実施や緊急時のシミュレーション確認は、従業員の防災意識を高めることにもつながります。

 

 

倉庫や工場では普段からの防災対策とBCP対策が重要!

倉庫や工場における防災対策は、企業の経営を守るだけでなく、社会インフラを守るためにも大変重要といえます。

災害により倉庫や工場の物流が止まると、多くの企業や社会インフラに悪影響を及ぼしてしまうからです。

そのため、災害が起こっても被害を最小限に抑え、万が一の際には早期に復旧するための計画「BCP対策」が注目されています。
個別の防災対策は、BCP対策の一部といえるでしょう。

日本の倉庫や工場では、地震対策や火災対策、水害対策などが必須です。
災害状況を具体的にシミュレーションしながら、それぞれの対策を講じていきましょう。

 

また、災害時にスムーズに実践するためには、防災マニュアルの共有や定期的な防災訓練も大切です。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

 

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

戦略倉庫の実績バナー

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

facebook

twitter

line

閉じる