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2023.07.16
倉庫・工場に天井クレーンを設置したい!メリットや注意点などご紹介
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫や工場に天井クレーンを導入すると、作業効率が上がりますし、扱える商品の幅が広がるため、ビジネスチャンスも広がります!
ただし、天井クレーンの導入には、費用や種類、届出など、注意したい点がありますので、まずはそれらをしっかり把握した上で検討することが大切です。
今回のコラムでは、倉庫や工場の天井クレーン導入について解説。
天井クレーンの種類や導入するメリット、設置の際の注意点をご紹介しますので、設置を検討されている方はぜひ参考にしてください。
倉庫や工場に天井クレーンを設けるメリットは?クレーンの種類も
倉庫や工場に天井クレーンを設置すると、大きさや重さの問題で今まで運搬が難しかったものもスムーズに運べるようになります。
運搬がスムーズになれば、作業効率アップというメリットがあります!
また、扱える商品の幅が広がるため、ビジネスチャンスも広がるでしょう。
さまざまな商品を扱うのは、リスクヘッジにもなりますね。
クレーンを操作するには資格が必要なため、従業員のスキルアップやモチベーションアップにもつながります。
天井クレーンの種類
天井クレーンとは天井に近い高さを通るクレーンです。
一般的な「クラブトロリ式」では、両側の壁にレールを対応するように設置し、レールには移動できるガーターを渡して、さらにその上にトロリ(台車)でクレーンを設置。
レールを伝って垂直移動、レールに沿ってガーターごとの水平移動、ガーターの上のトロリの水平移動が可能で、レールとガーターが通っている範囲は面状にどこでも移動できます。
クラブトトリ式には一組のレールに1本のガーターを通すシングルクレーン、2本のガーターを通すダブルクレーンがあり、シングルよりもダブルの方が重たい荷物を運べますが、構造が複雑になる分コストが高くなるのが注意点です。
また、トロリを使わず電動ホイスト(巻き上げ機)などを使用するホイスト式、天井梁(はり)に取り付けたレーンから直接クレーンを吊り下げるサスペンション型の種類もあります。
倉庫や工場に天井クレーンを設置する費用
倉庫や工場に天井クレーンを設置する費用は、100万円程度が目安です。
しかし、クレーンの種類や規模、耐荷重によっても費用は大きな幅があり、状況によっては500万円近くかかる場合もあります。
一般的には、レールが長く、形状が複雑になるほど、そして耐荷重が大きくなるほど、設置費用は高額になります。
なお、天井クレーンの設置にかかる期間は1~3カ月程度が目安です。
こちらもクレーンの種類や規模、耐荷重によってかかる期間が変わってくるでしょう。
後述しますが、クレーンの設置には労働基準監督署への届け出なども必要なため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
倉庫や工場に天井クレーンを設置する場合の注意点
天井クレーンを安全に設置・運用するためにも、クレーンの注意点について確認しておきましょう。
労働基準監督署に届出が必要
クレーンの設置には、事前に労働基準監督署への届出が必要です。
吊り下げ荷重が0.5トン以上3トン未満の場合は、設置前に「クレーン設置報告書」を提出。
3トン以上の場合は、クレーンの着工30日前までに「クレーン設置届」を提出します。
クレーンの明細書や検査証、組み立て図、強度計算書などの書類の添付も必要となります。
工事業者が提出するケースも多いため、必要書類の手配とあわせてどちらが提出するのか事前に確認しておくと良いでしょう。
建物の強度や設置条件を確認する
クレーンを設置するためには、クレーンの種類や形状に合わせた設置スペースや、レールを設置する壁・梁に強度が必要です。
建物の図面や構造計算書などをもとに、建物の強度を確認しておきましょう。
なお、古い倉庫や工場は老朽化により強度が弱くなっている場合があります。
過去に強度を確認していても、時間がたっているなら再度専門家に依頼をして確認することをおすすめします。
倉庫や工場には寿命がありますが、こまめな点検や修繕で寿命を延ばして長持ちさせることもできますよ。
建物の耐用年数については、「倉庫の耐用年数(寿命)とは?点検・修繕方法や減価償却も確認!」のコラムでもご紹介していますのでぜひご覧ください。
クレーンの運転には免許が必要
天井クレーンの操作には資格が必要です。
従業員に有資格者がいない場合は、免許を取得してもらいましょう。
クレーンの種類によって以下のような免許があります。
- クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定または限定なし)
- クレーン運転士免許(床上運転士クレーン限定)
- 移動式クレーン運転士免許
なお、クレーンで吊り下げる荷物にワイヤロープなどを取り付ける作業は「玉掛け」といい、一定規模以上の玉掛け業務を行うのも「玉掛け業務技能講習」の修了が必要です。
運用時には定期的な点検が必要
クレーンの安全な運用のためにも、定期的な点検は欠かせません。
「クレーン等安全規則」にて、1年ごとの定期点検、1カ月ごとの定期点検、作業日の作用前の点検やその内容が義務付けられています。
戦略倉庫の天井クレーン設置事例
戦略倉庫での天井クレーンの設置事例をご紹介します。
シンセメック株式会社様 第6工場増築工事(北海道石狩市)
「北海道から世界に1台だけの機械を」をテーマに、自動省力化装置の製作や精密機械部品の加工を自社一貫生産体制で行っているシンセメック様にて、第6工場の増築工事を行いました。
工場内には、2.8tのホイスト式天井クレーンを2基装備。
クレーンを支える構造の強さとコストのバランスを考えたご提案を行っています。
株式会社岩崎様 工場新築工事(北海道小樽市)
豊富な経験と高い技術でトラックや特殊車両などの架装・修理、塗装を数多く手掛けている、岩崎様の工場兼事務所を新設。
適切な梁強度・便利なレイアウトでの提案をさせていただき、2.8tのホイスト式クレーンを2台装備しました。
倉庫・工場の天井クレーン設置ではメリットと注意点を確認!
倉庫や工場に天井クレーンを設置すれば、重たいもの・大きいものもスムーズに運搬できるので、作業効率が大幅アップ!
取り扱える商品も増えるので、ビジネスチャンスも広がります。
天井クレーンの種類には、よく使われるクラブトロリ式のほか、ホイスト式、サスペンション型などがあり、用途に合った種類を選びましょう。
天井クレーンの設置費用は100万円~程度が目安。
天井クレーンの種類によっても費用は異なり、一般的に規模が大きく、耐荷重が多くなるほどコストも大きくなります。
天井クレーンを設置するには、事前に労働基準監督署への届出をしなければなりません。
計画時には建物の強度や設置スペースの確認が必要ですし、運転者には免許が、運用中も定期点検が必要です。
天井クレーンを安全に設置・運用するためにも、これらの注意点はしっかりチェックしましょう。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。