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2022.03.22
営業倉庫の施設設備基準とは?自家用倉庫との違いもチェック!
こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫業など営利目的で使用する倉庫は「営業倉庫」として、個人の自家用倉庫よりも厳しい施設設備基準が定められ、事前の登録申請が必要です。
多種多様な物品を安全に保管する営業倉庫は、利用者の資産を守ると同時に、国の産業や経済を守ることにもつながるため、高い基準が設けられています。
今回のコラムでは、そんな営業倉庫の施設設備基準について解説。
倉庫の種類別に設けられた基準やその必要性、登録申請の流れや事前準備などをご紹介します。
営業倉庫の施設設備基準とは?倉庫別に必要な基準を確認
営業倉庫とは、企業や事業で営利目的に使用する倉庫のこと。
営業倉庫はさまざまな商品、製品、物品を大量かつ安全に保管するため、倉庫業法施行規則によって建物の強度や耐火性、防水性、必要な設備など、全部で23の「施設設備基準」が定められています。
営業倉庫の施設設備基準(倉庫業法第6条第1項第4号)
※出典:国土交通省「施設設備基準別添付書類チェックリスト」
※出典:国土交通省「倉庫業登録申請の手引き」
倉庫の種類による施設設備基準の違い
営業倉庫はどんな物品をどう保管するかによって、さらに倉庫の種類が分かれ、倉庫の種類によって施設設備基準も異なります。
1類倉庫
施設設備基準:①~⑬を満たす
保管可能物品の例:危険物・高圧ガス、10℃以下での保管品を除いたすべての物品
2類倉庫
施設設備基準:①~⑦、⑨~⑬を満たす
保管可能物品の例:飼料、でんぷん、野菜類、果実類、ガラス器、缶入製品、原木、ソーダ灰など
3類倉庫
施設設備基準:①~④、⑨~⑫を満たす
保管可能物品の例:陶磁器、原木、アルミインゴット、湿気に耐性がある物品など
野積倉庫
施設設備基準:①②⑪、⑭~⑯を満たす
保管可能物品の例:レンガやセメント、岩塩、木材や廃タイヤなど雨や風、日光にさらされても問題のない物品
水面倉庫
施設設備基準:①②⑮⑰⑱を満たす
保管可能物品の例:原木などを水面に浮かべて保管
貯蔵槽倉庫
施設設備基準:①②⑤⑧⑨⑪⑫⑲⑳を満たす
保管可能物品の例:袋や容器に入っていない小麦、大麦、トウモロコシ、糖蜜など、液体やばら穀物など
危険品倉庫
施設設備基準:①②⑪⑫を満たす(建屋やタンクではなく、区画で保管する場合は①②⑪、⑭~⑯を満たす)
保管可能物品の例:消防法が指定する危険物や高圧ガスなど
冷蔵倉庫
施設設備基準:①~⑤、⑨~⑫、㉑~㉓を満たす
保管可能物品の例:水産物や肉などの生鮮食品、10℃以下の冷凍状態で保管する物品など
倉庫の種類とそれぞれ保管できる物品については「倉庫の種類はどんなものがある?倉庫別に保管できる物品もご紹介」で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
営業倉庫と自家用倉庫で施設設備基準はどう違う?
企業や事業で営利目的に使用する「営業倉庫」に対し、個人が自家用に使用する倉庫は「自家用倉庫」といいます。
個人で使う自家用倉庫と違い、営利目的に使用する営業倉庫は、他人の貴重な物品を預かるための倉庫。
利用者の資産を守り、ひいては国の物流や産業、経済を守るためにも、先ほどご紹介したような厳しい施設設備基準が定められているのです。
自家用倉庫を建てる場合でも、建築基準法や消防法の基準を満たす必要はありますが、営業倉庫に対する倉庫業法の基準は、さらに厳しいもの。
営業倉庫の使用開始にあたっては、施設設備基準を満たし、防火・安全体制を確立したうえで、国土交通省へ登録する必要があります。
営業倉庫の登録申請には事前準備と申請方法の確認を!
営業倉庫の申請では登録する物件が、建築基準法や都市計画法などの要件を満たしていることも重要です。
営業倉庫を建ててから申請をして、万が一、審査に通らず登録できなかったら大変です。
そんなことにならないよう、倉庫を建てる・購入する前に行うべき準備をご紹介します。
営業倉庫を建てる際の事前準備
運輸局などへの事前相談
保管物品や施設の規模などを相談し、営業倉庫として登録できる物件の要件について確認します。
建築会社や不動産会社と相談、物件選び
物件の調達方法は新築、購入、借用の3つ。
予定している事業者へ必要な施設設備基準を伝えて物件を選びます。
地方自治体への事前相談
予定している物件が該当エリアで営業倉庫として使用できるか相談します。
営業倉庫の登録には以下の法律が関わってきますので、こちらも確認しておきましょう。
- 建築基準法:建築基準法に適合している物件か?営業倉庫として使用できる物件か?
- 都市計画法:営業倉庫が建てられるエリアか?開発許可申請が必要となる場合も
- 倉庫業法:業務が「倉庫業」に当てはまるか?施設や申請者が要件に適合するか?
営業倉庫の登録申請の流れ
①物件の決定
新築、購入、借用などで物件を調達します。
②申請書類の作成
登録申請書と、物件の登記簿謄本、建築確認済証のほか、図面や設備表といった各設備基準を満たしていることを証明する書類などを準備します。
③運輸局等へ申請
説明聴取、実地調査などを行い審査が行われます。
④登録通知
登録されると申請者へ登録通知が届き、営業開始が可能となります。
※地域や倉庫の種類などによって異なる場合があります。詳しくは運輸局、自治体等にお問い合わせください。
営業倉庫は厳しい施設設備基準をクリアして登録が必要
営業倉庫とは、企業や事業で倉庫業など営利目的に使用する倉庫のこと。
多種多様な物品を大量かつ安全に保管するため、個人で使用する自家用倉庫よりも厳しい基準が定められています。
倉庫業法施行規則に規定された施設設備基準は、建物の強度や耐火性、防水性、必要な設備など、全部で23項目あり、倉庫の種類によって求められる基準が異なります。
倉庫業で営業倉庫を使用するには、基準を満たした倉庫を国土交通省へ登録する必要があります。
倉庫を建設または購入してから登録申請した場合、万が一にも審査に通らず登録ができなかったら大変です。
倉庫の調達前には、忘れずに関係各所へ相談するなどの事前準備を行いましょう。
必要書類をそろえて運輸局等へ申請し、審査後に登録通知が届けば、営業倉庫として営業を開始できます。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。