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2021.06.15
工場建設の成功ポイントは?設計から工場建築までをチェック!
こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
工場建設行う際には、全体像の把握やスケジュールの組み方が非常に重要です。
どの工程も抜けてはいけない大切な工程なので、しっかり手順を踏んで計画しなければなりません。
そのためにも、各工程での確認点、工場建設を成功させるためポイントを押さえておきましょう!
今回は工場建築の手順や、設計から施工までのポイント、気をつけることなどをご紹介していきます。
工場建設のポイントとして、まずは手順を確認!
工場を建てるまでの全体像を把握することが大切です。
まずは工場建設の全体の手順と共に、確認すべき重要な点もチェックしていきましょう。
①方向性の確認
最初に、建設する工場の方向性を確認していきます。
企業の目的や工場計画の必要性などを、設計会社の担当者などと共有します。
工場の新設にはさまざまなケースがあり、その背景や目的によって求められる機能や設備は異なります。
どんな目的で工場を建築するのかをしっかりと共有することで、後になって設計案を大きく修正したり、急な変更によるスケジュール遅延や予算超過が起こるリスクを予防できます。
方向性を確認したら工程計画や予算計画を立て、建設プロジェクトの組織を作って役割分担を練っていきます。
生産方式や生産動線、人員、資材、クレーンの設備などを把握して、新設する工場に必要な広さや高さを検討し、その他に工場によって特殊条件があればそれも把握します。
工場のために新たに土地を取得する場合は、気候や地形などの自然立地条件や、電力、水道、工業用水などインフラ条件も確認しましょう。
②実施設計
基本計画を立てていきます。
建築関係では、下記の計画を立てることが必要となります。
- 配置計画…物流動線、物流スペース、緑地など全体の動線について
- 平面計画…設置する機械、作業スペース、動線などについて
- 立面計画…工場イメージについて
- 断面計画…設置する機械の高さ、クレーンの数などについて
その他、断熱性、採光、色彩などの検討も行い、全体工程の確認として実施工程の立案(設計・申請・建設)も行います。
また、設備関係でも下記の項目を計画します。
- 電気の必要容量・照明、防災設備など
- 給水容量、排水容量、特殊な排水の有無など
- 換気設備、冷暖房設備の有無など
次に、関係法令を確認し、計画に不備がないか確かめます。
工場建設に関係する法令は主に下記の3つです。
- 都市計画法
- 建築基準法
- 工場立地法
これらについては、後で詳しく解説します。
さらに工場の壁材や屋根材、ドアや窓、電気や給排水など、より詳細な設計を作っていき、工事費用を把握します。
③発注・工事スタート
これまでの設計計画や費用計画をもとに、施工業者を決定して発注します。
工場建設について豊富な経験と知識があり、アドバイスを求めることができる設計事務所を選びましょう。
工場建設の設計から施工までの成功ポイントは?
工場設計で成功に導くポイントは、まず生産効率を高め、かつ、コストを抑えるために、どんな設備や内装が必要となるかを検討することです。
以下のようなポイントをチェックして、設計から施工までスムーズに進めましょう。
光熱費やメンテナンス面を考える
工場のランニングコストも重視して設計することも必要です。
建設や設備の費用だけで終わりではなく、稼働した後のランニングコストも営業利益に大きく関わってくる部分です。
光熱費は選ぶ資材や断熱工法でも変わってきますし、メンテナンスのしやすさも後々大事になってきます。
何にどれだけランニングコストが必要となるか、しっかりと検討しましょう。
従業員の環境や近隣への影響を考える
工場内の動線や機械の配置を工夫するのはもちろん、どんな環境なら従業員が生産的に働けるかという点にも配慮して工場を設計しましょう。
安定した気温と湿度が保たれること、作業のしやすい整った内装など、イメージしながら考えてみることが大切です。
その他、きれいな外観、有害な排煙・排水・騒音がない静かな環境などは従業員にとっても重要ですが、周辺住民とのトラブル防止のためにも必要です。
設計会社選びは慎重に
設計を発注する業者の選び方もポイントになります。
設備機器やユーティリティ設備など、専門的な知識を持っている設計会社を選びましょう。
それぞれの業界で求められる各種管理基準は異なる場合もあります。
そこに適合する設計を考えられるかどうかも大切なチェックポイントです。
災害時の事業継続性や安全性の確保、省エネや近隣環境への影響も考えることができ、コスト管理もできる会社であることも重要です。
設計会社の企画コンペで指名率が高いことは優良な設計事務所であるひとつの指標でもあるので、そこを参考にしてもいいでしょう。
工場建設で気をつける点として法律をチェック!
工場建設にあたって、知っておくべき3つの法律があります。
工場設計時にこれらをしっかりとチェックしておくことが、後からの大幅な変更や修正による損失を防ぐポイントとなります。
都市計画法
工場を建設する際に土地を新たに契約するのであれば、立地は非常に重要なポイントになります。
工場はどこに建ててもいいわけではなく、「都市計画法」が定める街づくり計画に沿った場所でのみ建設が可能です。
都市計画区域は「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられ、大規模な工場を建設できるのは市街化区域の下記の3つの用途地域のみです。
- 工業地地域
- 準工業地域
- 工業専用地域
用途地域については「倉庫や工場に適している用途地域とは?その定義をチェック」でより詳しく解説していますので、あわせてご覧くださいね。
建築基準法
建築基準法とは、建築物の構造や設備、用途などの最低基準を定めた法令です。
工場を建てるときは建築基準法に従い、行政の審査や検査を受ける必要があります。
審査や検査は3段階で行われます。
計画段階で建物が法に適合しているかを確認し、都道府県や市町村が指定した建築物については指定の工程が完了したら検査が実施され、工事が完了したら最終検査が行わる流れとなっています。
検査の内容としては、敷地の衛生や安全が確保されているかや、地震などの災害による倒壊防止の構造について、耐火構造や避難階段など、個々の建物の安全性を確認するものです。
さらに、接道規制や用途規制、形態規制など、工場とその周辺の環境の調和をはかるための項目も検査されます。
工場立地法
工場立地法は、一定の大きさの工場を建設するときには緑地などを設け、周辺地域の生活環境を保持するための法令です。
公害や環境破壊を防ぎ、夏の遮熱やヒートアイランド現象の軽減、騒音の軽減などの目的があります。
工場立地法は「四日市公害裁判」の公害訴訟にて、大気汚染や排水問題などに対する企業の責任が問われたことをきっかけに作られました。
製造業や電気供給業などで、敷地面積が9,000㎡以上、または建築面積が3,000㎡以上の工場について、敷地利用に関して生産施設、緑地、環境施設の面積率が定められており、工場の新・増設等を行う際は事前に届出を行わなければなりません。
敷地面積の20%以上を緑地とすることなどが定められています。
工場建設や工場建築のポイントを把握して生産性の高い工場を
工場建設のおおまかな流れは、方向性の確認、実施設計、発注・工事スタートとなります。
それぞれの手順で計画すべきことや決めることは、たくさんあります。
工場建設の成功ポイントとしては、工場内の生産効率を高めるため、コストを抑えるために工夫することが大事です。
稼働後のランニングコストを重視すること、従業員の環境や近隣への影響を考えること、設計事務所を精査して選ぶことなどが挙げられます。
工場を建てる前に、都市計画法や建築基準法、工場立地法などの関係法令をしっかり確認することも大切です。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。