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2025.02.05

危険物倉庫の空調設備の重要性や設置の注意点を解説!

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

危険物倉庫では、換気や温度管理のために空調設備が必要不可欠です。

 

しかし、「どんな空調設備が必要なのか」「設置時に注意する点はあるのか」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

 

今回は、危険物倉庫における空調設備の役割や重要性、設置時の注意点などを解説します。

危険物倉庫の設置基準の一つでもあるので、ぜひご確認ください。

空調

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ここに目次が入ります

 

 

危険物倉庫の基本から確認!

危険物倉庫とは、法律で定められた「危険物」を保管する専用の倉庫です。

 

危険物は発火や爆発、火災などの危険があり、消火困難であるなどの性質を持つ物質です。

そのため、それらを保管する危険物倉庫は、建物の構造や設備に関して消防法で厳密な基準が設けられています。

 

例えば、以下のような基準があります。

  • 周辺環境への影響が出ないよう、保安対象物から一定の距離を保つ
  • 延焼の防止、消火活動のために周囲に保安空地を確保する
  • 軒高は6m未満で平屋建、床面積は1,000㎡以下とする
  • 主に不燃材料などを用いた耐火構造とする
  • 消火設備や、必要に応じた採光設備や照明を設置する など

 

危険物倉庫の建築基準や仕様、建築許可については、こちらのコラムでもそれぞれ詳しくご紹介しています。

あわせてぜひご覧ください。

 

危険物倉庫とは?法令で定められた建設をする際の基準もご紹介

危険物倉庫の指定数量とは?消防法と建てる際の注意点も解説

危険物倉庫の放爆仕様(放爆構造)とは?必要な火災・防爆対策を解説!

危険物倉庫の許可申請フローや進め方のコツをご紹介!

 

 

危険物倉庫では空調設備が重要!その理由とは

危険物倉庫で扱われる危険物の中には、温度変化に敏感なものも多いです。

 

一定の温度を超えると自然発火の危険性が高まる物質や、高温になることや一定の温度を保てない場合に品質が著しく低下する物質もあります。

 

そのため、空調設備による温度管理が欠かせません。

 

また、倉庫内では危険物から発生する可燃性の蒸気やガスが滞留する可能性があり、適切な換気が行われないと火災発生のリスクが高まります。

 

危険物倉庫の防火対策、安全対策、そして保管物の品質管理を目的として温度管理と適切な換気を行うためにも、空調設備が非常に重要なのです。

 

なお、危険物倉庫に必要な空調設備を設置することは、以下の「危険物の規制に関する政令」で定められています。

 

・危険物の規制に関する政令第9条10号

危険物を取り扱う建築物には、危険物を取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設けること。

 

・危険物の規制に関する政令第10条第1項第12号

貯蔵倉庫には、危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設けるとともに、引火点が七十度未満の危険物の貯蔵倉庫にあつては、内部に滞留した可燃性の蒸気を屋根上に排出する設備を設けること。

 

※引用:e-GOV法令検索「危険物の規制に関する政令」より

 

 

危険物倉庫の空調設備設置で注意すること・知っておくべきこと

室外機

危険物倉庫へ空調設備を設置する際の注意点をご紹介します。

特に、ご紹介する次の3点を知っておいてくださいね。

 

室外機を設置する場合の保有空地の確保

危険物倉庫では、建物の周囲には保管している危険物ごとに一定の保有空地を設ける必要があります。
万が一の火災の際、周辺に火が燃え移らないようにするためです。

 

注意点として、建物の外に空調の室外機を置く場合は、保有空地の始点が室外機となるため、室外機がない場合よりも広い保有空地を確保しなくてはいけません。

 

すでに建築済みの危険物倉庫に後から空調設備を設置する場合は、室外機の配置後に保有空地の幅が確保できているかの確認が必要です。

 

換気と温度管理の両立

危険物倉庫で空調設備を稼働させるときは、安全性確保のための換気と、適切な温度管理を両立させなければいけません。

 

危険物倉庫では、一般的な目安として1時間あたり5回以上の換気が推奨されています。

しかし、頻繁な換気は空調効率の低下につながり、特に低温管理が必要な危険物を保管する場合は大きな課題となります。

 

そのため、例えば可燃性蒸気の濃度に応じて換気を行うセンサー式の換気システムを導入するなど、換気と温度管理のバランスを考えた空調設備の導入・配置・運用が必要となるでしょう。

 

また、温度管理については、空調設備の性能を上げるだけでなく、建物自体の断熱性能を高めることも重要です。

壁や屋根、開口部などの断熱性能を向上させて、空調効率を高めることも検討しましょう。

建物の断熱性向上は、空調設備のエネルギー消費量低減にもつながります。

 

 

危険物倉庫の空調設備は安全管理と品質管理のために重要!

危険物倉庫の安全な運用のためには厳しい基準が定められていて、換気設備の設置もその中の一つ。

危険物倉庫の空調設備は、適切な温度管理や、蒸気やガスを排出するためなどに必要です。

 

危険物倉庫に空調設備を設置する際には、法令で定められた基準を遵守しつつ、換気と温度管理の両立を考慮する必要があります。

 

センサー式の換気システムの導入や建物の断熱性能向上など、効率的な運用のための工夫も知っておきましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

 

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 
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久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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