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2025.01.10

危険物倉庫の許可申請フローや進め方のコツをご紹介!

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

危険物倉庫の建設は、消防法や建築基準法による建設基準を満たし、自治体から設置許可を受けて進める必要があります。

 

今回のコラムでは、危険物倉庫を建てる際に必要となる許可申請や基準について解説します。

 

危険物倉庫はその安全性を確保するため、普通の倉庫よりも求められる基準が多いです。

危険物倉庫の建設をスムーズに進めるためにも、ぜひ知っておきたい情報です。

申請書

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ここに目次が入ります

 

 

まずは危険物と危険物倉庫の定義を確認

危険物とは、消防法で定められた6分類の物質です。

 

引火性や発火性を持ち、火災、爆発、中毒などにつながるリスクが高いため、特に注意して取り扱うことが求められています。

 

具体的な危険物の分類は以下のとおりです。

  • 第1類:酸化性固体(塩素酸塩類、過塩素酸塩類、硝酸塩類など)
  • 第2類:可燃性固体(硫化りん、赤リン、硫黄、鉄粉など)
  • 第3類:自然発火性物質および禁水性物質(カリウム、ナトリウム、黄りんなど)
  • 第4類:引火性液体(第一石油類、アルコール類、動植物油類など)
  • 第5類:自己反応性物質(有機過酸化物、ニトロ化合物など)
  • 第6類:酸化性液体(過塩素酸、過酸化水素、硝酸など)

 

そして危険物倉庫とは、これらの危険物を安全・適切に保管するための施設です。

 

危険物を取り扱う施設は消防法上、「製造所」「貯蔵所」「取扱所」の3つに分類され、危険物倉庫は「貯蔵所」となります。

 

指定数量以上の危険物の保管は、建築基準法や消防法などで定めた厳格な基準をクリアした危険物倉庫が必要となります。

万が一の火災が起こった際に、被害を最小限に抑えることを目的としています。

 

指定数量とは危険物を取り扱う際に基準となる量のことで、危険物の種類によって異なります。

詳しい危険物の種類やそれぞれの指定数量については、こちらのコラムをご覧ください。

危険物倉庫の指定数量とは?消防法と建てる際の注意点も解説

 

 

危険物倉庫建設の許可申請の流れやコツ、満たすべき基準を解説!

危険物倉庫の建築にはさまざまな手続きが必要です。

 

危険物倉庫の計画から運用開始までは、一般的に以下のプロセスを踏む必要があります。

  1. 消防署との事前協議
  2. 設置許可の申請
  3. 建築工事
  4. 中間検査の実施
  5. 完了検査の申請

 

危険物倉庫建設の流れ

各プロセスについて、それぞれ詳しくご紹介します。

1.消防署との事前協議

最寄りの消防署予防課と、施設の設計や消防設備の詳細について話し合います。

専門家と一緒に必要な規模や構造、設備を確認することで、正しい設計を作成できます。

 

2.設置許可の申請

自治体へ危険物倉庫の設置許可申請を行います。

建設計画や設計図、扱う危険物の種類と数量、取り入れる安全対策などの詳細を提出します。

 

3.建設工事

設置許可証の発行後、いよいよ危険物倉庫の建設工事の着工となります。

許可が下りた申請内容を遵守して工事が進められます。

 

4.中間検査の実施

基礎工事の完了のタイミングで、中間検査を行います。

基準を満たし、検査に合格すれば、「中間検査合格証」が交付されます。

 

5.完了検査の申請

工事が完了して危険物倉庫が完成したら、4日以内に自治体へ完了検査を申請します。

完了検査では、危険物倉庫が当初の計画と安全基準を遵守しているかを確認します。

完了検査に合格し、検査済証が交付されれば、危険物倉庫の運用開始が可能となります。

 

危険物倉庫の主な建築基準

危険物倉庫に求められる主な建築基準を4点ご紹介します。

 

①位置に関する基準

火災が起こったときに被害が広がらないよう、特定の施設からは「保安距離」を保つ必要があります。

危険物倉庫の敷地内では「保有空地」を確保する必要があります。

  • 住宅地:10m以上
  • 公共施設(学校、病院等):30m以上
  • 重要文化財:50m以上
  • 高圧電線:使用電圧に応じて水平距離3m~5m

 

②規模に関する基準

危険物倉庫の規模は、原則として軒高6m未満の平屋、床面積は1,000㎡以下に制限されます。

また、敷地内で危険物倉庫の周囲には空地を保有する必要があります。

必要な保有空地の広さは、危険物の保管量や倉庫の構造によって異なります。

 

③構造に関する基準

火災時の延焼防止などのため、危険物倉庫の構造には以下のような厳しい基準が適用されます。

  • 屋根:軽量な不燃材料を用いる
  • 梁・階段:不燃材料を用いる
  • 壁・柱:耐火構造とする
  • 床:危険物が浸透しない構造で、傾斜を付け、貯留設備を設ける
  • 窓・出入口:防火設備とする
  • ガラス:網入りガラスを用いる など

 

④設備に関する基準

危険物を安全に取り扱える明るさを確保し、取り扱う危険物の種類やその数量によっては、避雷設備や上記の排出設備などの設置が必要です。

また、危険物の種類や倉庫の規模に応じて、適切な消火設備の設置も定められています。

 

危険物倉庫の建築基準や制限については、こちらのコラムでそれぞれ詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

危険物倉庫を建てることができる用途地域は?土地の制限も確認

危険物倉庫の放爆仕様(放爆構造)とは?必要な火災・防爆対策を解説!

 

なお、「指定数量の1/5未満」の危険物は、普通の倉庫でも保管が可能です。

 

第4類の代表的な危険物であるガソリンの指定数量は200L。

危険物であるガソリンでも40L未満(指定数量1/5未満)であれば、危険物倉庫ではない普通の倉庫でも保管できます。

 

また、指定数量以下~1/5以上の場合は「少量危険物」として消防法の適用対象です。

 

 

危険物倉庫を建設するなら依頼をする業者は慎重に選ぼう!

協力

危険物倉庫の建設では、さまざまな法令に基づく条件や基準を満たさなくてはならず、専門的な知識が必要です。

 

そのため、危険物倉庫の建築実績が豊富で、法令や安全性などの専門知識を有する建築会社へ依頼することがとても重要!

 

過去の実績をよく確認し、信頼できる業者を選びましょう。

 

戦略倉庫は危険物倉庫の建設実績も豊富です!

 

一級建築士による約1,000通りのシミュレーションから、用途や要望に合わせた最適なプランを作成・提案し、高品質、低コスト、短納期の倉庫建設を目指します。

 

 

危険物倉庫の建設は自治体の設置許可と建築基準の遵守が必要

危険物倉庫は、消防法で定められた危険物を保管する倉庫。

危険物は火災などのリスクが高い物質のため、危険物倉庫には安全性を高めるための厳しい基準が定められています。

 

建設時には消防署と事前協議をした上で、自治体から設置許可を受ける必要があります。

位置や規模、構造、設備などにも、消防法や建築基準法などで厳しい基準が設けられています。

 

建設工事中の中間検査と、完成後の完了検査の2回の検査に合格して初めて、危険物倉庫として運用可能となります。

 

危険物倉庫の建設は法律などの知識も必要となる、専門性の高いプロジェクトです。

危険物倉庫建設の実績が豊富な建築会社へ相談しましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

 

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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