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2023.01.20

冷蔵倉庫の施設設備基準とは?建設前に確認しよう

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

営業倉庫を建てる際には、さまざまな関係法令や施設設備基準を満たさなくてはいけません。

生鮮食品や冷凍品など、食品を主に扱う冷蔵倉庫でもそれは同じです。

 

今回は、冷蔵倉庫の施設設備基準について詳しく解説します。

冷蔵倉庫を建てる際に注意すべき法律や、満たすべき施設設備基準を確認していきましょう。

 

ここに目次が入ります

 

冷蔵倉庫とは?関係法令や施設設備基準も確認

冷蔵倉庫とは、製品を10℃以下の低温に保って保管する倉庫のことです。

 

水産物や畜産物、農産物、低温・冷凍食品といった食品を中心に扱うことが多く、それぞれの製品に合わせた温度で保管することが可能です。

 

さらに、保管温度が10℃以下~-20℃未満の冷蔵倉庫を「チルド級(C級)」、保管温度が-20℃以下の倉庫を「フローズンまたはフリーズ(F級)」と呼びます。

「フローズンまたはフリーズ(F級)」は、冷凍倉庫と呼ばれることもあります。

 

事業用に使われる倉庫は、多種多様な製品を安全に保管し流通させるために、個人が使用する倉庫よりも高い施設設備基準が定められています。

 

適合法令、建物の強度や耐火性、防水性、必要な設備などに対する細かい基準を満たし、事前に申請や許可を受ける必要があるのです。

 

詳しい基準については、次で確認していきましょう。

 

 

冷蔵倉庫の施設設備基準について

冷蔵倉庫を含む「営業倉庫」は、倉庫業法施行規則によって全部で23の「施設設備基準」が定められています。

 

そのうち、冷蔵倉庫が満たすべき施設設備基準は以下の12項目があります。

 

営業倉庫の施設設備基準(倉庫業法第6条第1項第4号)

番号 項目 施設設備基準
1 使用権原 倉庫及び敷地について所有権その他使用権原を有すること
2 関係法令適合性 倉庫の種類ごとに国土交通大臣の定める建築基準法その他の法令の規定に適合していること

※規則第3条3第2号の基準のうち告示第2条第4号ニに係るもの

3 土地定着性等 土地に定着し、かつ、屋根及び周囲に壁を有する工作物であること。ただし、鋼材その他の重量物の保管のため、天井走行クレーン等の固定荷役機械を設置しており、周囲に壁を設けることができない倉庫にあっては、国土交通大臣が別に定めるところによる
4 外壁、床の強度 軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度が、国土交通大臣の定める基準に適合していること
5 防水性能 構造及び設備が、倉庫内への水の浸透を防止するに足るものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること
9 災害防止措置 危険物等を取り扱う施設その他の国土交通大臣の定める施設に近接する倉庫にあっては、国土交通大臣の定める災害防止上有効な構造又は設備を有すること
10 防火区画 倉庫の設けられている建物内に事務所、住宅、商店等の火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が設けられている場合にあっては、当該施設が、国土交通大臣の定めるところにより区画されていること
11 消火設備 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条に定めるところにより消火器等の消火器具が設けられていること(この場合において、倉庫の延べ面積が150平方メートル未満であるときは、これを延べ面積が150平方メートルの倉庫とみなして、同規則第6条の規定を適用する)
12 防犯措置 国土交通大臣の定める防犯上有効な構造及び設備を有していること(一類倉庫等)

※規則第3条の4第2項第10号の基準のうち告示第10条第2号に係るもの

21 通報設備 倉庫内の要所に、倉庫内と外部との連絡のための通報機その他の設備を有すること
22 冷蔵設備 冷蔵室の保管温度が常時摂氏10度以下に保たれるものとして国土交通大臣の定める基準を満たしていること
23 温度計等 見やすい場所に冷蔵室の温度を表示する温度計が設けられていること

※参考:国土交通省「施設設備基準別添付書類チェックリスト」国土交通省「倉庫業登録申請の手引き」

 

過去のコラム「営業倉庫の施設設備基準とは?自家用倉庫との違いもチェック! 」では、営業倉庫の施設設備基準について全23項目と、倉庫の種類別に満たすべき基準についても

詳しくご紹介しています。

 

また、営業倉庫の種類については「倉庫の種類はどんなものがある?倉庫別に保管できる物品もご紹介」もぜひご覧ください。

 

適合させる必要がある関係法令

営業倉庫の施設設備基準の「2 関係法令適合性」で定められる関係法令は、建築基準法、建築基準関係規定、高圧ガス保安法、食品衛生法の4つです。

 

それぞれの内容もご紹介します。

倉庫業法施行規則等運用方針より

 

建築基準法(告第2条第4号イ)

『特殊建築物に該当する倉庫として使用される部分の面積が100㎡以上の建築物その他建築基準法第6条第1項各号に該当する倉庫については、建築基準法の規定(建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定(後述)を含む。)に適合していることを要する。』

 

建築基準関係規定(告第2条第4号ロ)

『建築基準法第6条第1項各号に該当しない倉庫については、建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定のうち以下に掲げるものに適合していることを要する。

 

(1) 消防法第17条第1項

倉庫は、消防法上防火対象物とされているため、消防法第17条第1項に定める技術上の基準に従って、政令で定める消防用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設を設置し、及び維持することを要する。

(2) 港湾法第40条第1項

港湾法第39条第1項の規定に基づき港湾管理者が分区を設定している地域に設けられる倉庫にあっては、同条第40条第1項の規定により当該分区の用途に適合していることを要する。

(3) 都市計画法第29条第1項又は第2項

都市計画区域等に設けられる倉庫にあっては、都市計画法第29条第1項又は第2項に規定するところによりその建築に際し開発許可を取得していることを要する。』

 

高圧ガス保安法(告第2条第4号ハ)

『圧縮式冷凍機を使用している冷蔵倉庫にあっては、このような設備は高圧ガス保安法上の高圧ガスの製造施設に該当することから、その冷凍能力に応じ、同法第5条第1項の許可を取得していること又は同条第2項の届出をしていることを要する。』

 

食品衛生法(告第2条第4号ニ)

『食品衛生法第4条第1号の食品を保管する冷蔵倉庫は、食品衛生法施行令第35条第17号の「食品の冷凍又は冷蔵業」に該当することから、当該営業に係る同法第52条第1項の許可を取得していることを要する。』

 

 

冷蔵倉庫の施設設備基準は必ず確認!

事業用の営業倉庫を建てる際には、建物の耐火性や強度、法令適合など厳しい施設設備基準を満たす必要があります。

 

営業倉庫では全部で23の施設設備基準があり、10℃以下以下で製品を保管する冷蔵倉庫では、そのうちの12項目を満たす必要があります。

 

関係法令として、建築基準法、建築基準関係規定、高圧ガス保安法、食品衛生法への適合も必要です。

 

営業倉庫を建設・使用するには、規定されている基準を満たし、事前申請・登録が必要となりますので、建築前には漏れなくチェックしておきましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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