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2022.10.27
倉庫や工場建設で省エネ適判の対象が拡大!概要や手続き方法を解説
こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
2017年の建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)施行により、倉庫や工場の新設・増設時には省エネ適判(省エネ適合性判定)が義務化されました。
2019年には対象となる倉庫・工場の要件がさらに拡大し、多くの倉庫・工場の新築・増改築では建築確認申請と同時に省エネ適判も必須となっていきています。
そこで今回のコラムでは、倉庫・工場の省エネ適判について解説。
省エネ適判とはどんなものか、対象となる倉庫・工場の要件、省エネ適判の申請手続きの流れなどをご紹介します。
倉庫や工場の建設時に受ける省エネ適判とは?
省エネ適判(省エネ適合性判定)とは、建築物の新築や増改築の際に「省エネ基準」に適合しているかどうかの判定を受けることです。
省エネ適判は2015年公布、2017年施行の建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)によって義務化されました。
建築物省エネ法は、未来の地球環境のために世界の温室効果ガス排出量の削減を目指す「パリ協定」を受けて制定された法令。
消費エネルギー削減やそれによる温室効果ガス削減のために、建物の省エネ性能の向上を目的としています。
具体的には、建物の断熱性能や空調などの機器のエネルギー消費量などについて基準を設け、建物の種類や規模によって省エネ適判の認定または届出を義務付けています。
省エネ適判の対象になる倉庫や工場の要件
2021年4月1日より、建築物省エネ法の一部が改正され、非住宅建築物については床面積300㎡以上の建物が省エネ適判(省エネ適合性判定)の対象となりました。
倉庫や工場に関しては、以下のようなものが対等となります。
- 床面積300㎡以上の新築
- 床面積300㎡以上の増改築(2017年4月1日以降に竣工)
- 床面積300㎡以上の増改築で既存部分より増築部分が大きい(2017年3月31日以前に竣工)
床面積300㎡未満の場合や、温度や湿度の調節が不要で空調設備のない常温倉庫、同様に常温の無人工場などは対象にはなりません。
なお、増改築部分の床面積が増改築後の延べ面積の1/2以下の場合は、判定ではなく届出の対象となります。
倉庫や工場建設時に省エネ適判を受ける流れ
倉庫・工場で省エネ適判(省エネ適合性判定)を受ける流れをご紹介します。
建物が建築基準法に適合しているかをチェックする、建築確認申請と並行して行います。
①建築確認申請
建築主事または指定の確認検査機関へ申請します。
建築確認申請書のほか、図面などを提出します。
②省エネ適判申請
所管行政庁または登録省エネ判定機関へ、建築物エネルギー消費性能確保計画を提出します。
主な提出書類は以下のようなものです。
- 省エネ計画書
- 設計内容説明書
- 各種図面
- 一次エネルギー消費量計算書 など
③適合検査、判定通知書の交付
判定基準に適合しているか検査を受け、適合が認定されれば省エネ適合判定通知書が通知されます。
書類受付から14日以内に交付されます。
④建築確認済証の交付
省エネ適合判定通知書の写しを建築主事または指定の確認検査機関に提出し、確認済証の交付を受けます。
省エネ適判、建築確認申請の両方の手続きが済むと、工事着工が可能になります。
そのほか、倉庫や工場の建築に必要な手続きや準備については、「工場・倉庫建設の流れとスケジュールを詳しく解説!必要な事前準備も」でもお話ししておりますので、あわせてご参考ください。
なお、省エネ適判の手数料は建物の用途や規模、または省エネ判定機関などによって異なります。
戦略倉庫の本社がある北海道の登録省エネ判定機関のひとつ、一般財団法人北海道建築指導センターでは以下のようになっています。
【(C種)工場等 判定料金】
判定対象面積 (㎡) | モデル建物法 | 標準入力法 |
300~500未満 | 66,000円 | 132,000円 |
500~1,000未満 | 77,000円 | 154,000円 |
1,000~2,000未満 | 88,000円 | 176,000円 |
2,000~3,000未満 | 110,000円 | 220,000円 |
3,000~4,000未満 | 132,000円 | 253,000円 |
4,000~5,000未満 | 154,000円 | 286,000円 |
5,000~10,000未満 | 187,000円 | 330,000円 |
※一般財団法人北海道建築指導センター 省エネ適合性判定 判定料金より
倉庫や工場の建設では省エネ適判が必要!要件や手続きを知ろう
省エネ適判(省エネ適合性判定)とは、建物の新築・増改築の際に「省エネ基準」に適合しているかどうかを判定するもの。
2017年施行の建築物省エネ法で定められ、2019年には倉庫・工場については床面積が300㎡以上のものにまで適用範囲が拡大されました。
そのため、床面積300㎡以上の倉庫・工場の新設や、300㎡以上の部分の増改築をする場合は省エネ適判が必須となります。
省エネ適判は、所管行政庁または登録省エネ判定機関へ建築物エネルギー消費性能確保計画を提出して審査を受けます。
建物が建築基準法に適合していることを確認する建築確認申請の確認済証の交付にも省エネ適判が必要なため、対象となる倉庫・工場は省エネ適判の認定を受けないと、工事の着工ができません。
倉庫・工場の建設時には、必要な認定や申請の期間も考慮し、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。