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2022.01.07

倉庫には建築制限・内装制限・用途制限がある!それぞれを解説

こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

倉庫を建てる際には、建築基準法で建築制限や内装制限が定められています。

建てられるエリアも用途地域による建築物の用途制限があり、どこにでも好きなように倉庫を建てられるわけではありません。

 

今回のコラムのテーマは、このような倉庫の建築制限について。

どうして建築制限があるのかということを踏まえ、それぞれの制限について解説します。

ここに目次が入ります

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倉庫の建築制限・内装制限は火災の被害を最小限に抑えるため

倉庫に限った話ではありませんが、日本の建物は火事が起こった際に被害を最小限に抑えるための工夫や取り組みがいろいろとされています。

 

その代表的なもののひとつが、建築基準法による建築制限です。

万が一火事が起こったときに、炎が広く燃え広がるのを防ぎ、建物の中にいる人たちが安全に避難できる建物となるよう基準を設けているのです。

 

建物の用途や大きさによっても基準はさまざまですが、倉庫に対する建築制限には以下のような基準があります。

 

耐火要求の構造制限

建物の用途や大きさごとに、耐火性のある構造が求められます。

 

倉庫の場合は、床面積が1,500㎡以上で準耐火建築物、3階以上の階が200㎡以上で耐火建築物とすることが定められています。

 

防火区画の設置

火が燃え広がるのを防ぐため、一定面積ごとに防火区画を設けることと定めています。

 

たとえば耐火構造の倉庫では、スプリンクラーがない場合には1,500㎡ごと、スプリンクラーがある場合には3,000㎡ごとに防火区画とし、防火区画は床・壁は準耐火構造(60分)、開口部は特定防火設備(60分)とすることが求められます。

※60分とは火熱を遮る時間の長さが60分相当以上であることを指す

 

区画すべき面積は、構造やスプリンクラーの有無に応じて定められています。

 

非常用の進入口の設置基準

倉庫ではあまり多くないですが、3階建て以上の倉庫の場合は「非常用の進入口の設置基準」を満たす必要があります。

 

3階以上の階には、消防隊が建物内に速やかに進入して消火・救出活動を円滑に行えるよう、屋外から進入できる開口部を外壁面に設置することが義務付けられています。

幅75cm以上、高さ1.2m以上の開口部にバルコニー付きの進入口を設置するのが原則です。

 

規定の寸法を確保した窓を代替進入口としたり、非常用エレベーターを設置したりすることで、進入口の設置が不要になる場合もあります。

 

内装制限

火災のときに内装材が燃え広がって避難を妨げたり、有害物質を出したりしないよう、内装に使う材質やその使用箇所を制限する規定です。

高さが1.2m以上の壁や天井への内装仕上げ材は、不燃材料または準不燃材料を使用することと定めています。

  • 不燃材料:コンクリート、ガラス、金属板、モルタル、厚さ12mm以上の石膏ボードなど
  • 準不燃材料:厚さ9mm以上の石膏ボードや厚さ15mm以上の木毛セメント板など

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倉庫の建設には用途地域の建築制限(用途制限)の確認も必要

工場

用途地域とは、住みよい街づくりのために地域を13のエリアに分けたもので、都市計画法で定められています。

 

それぞれのエリアでは、「住宅街エリアなので工場は建ててはいけない」「住宅街エリアでさらに良好な住環境を確保するため、高いマンションは建てられない」「重工業の工場を建てるエリアなので、病院は建てられない」など、建てられる建物を用途や大きさによって制限しています。

 

これを、用途地域による建築物の用途制限といいます。

 

13の用途地域の中で、営業用の倉庫を建てられるのは7つです。

  • 準住居地域
  • 田園住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

※「田園住居地域」は、農産物の製造・貯蔵などのための倉庫に限る

 

住居地域は良い住環境の確保を、商業地域は商業などの利便を増進するためのエリアです。

倉庫を建てることもできますが、広さや階数などの制限を受けることになります。

 

準工業地域、工業地域、工業用地域などは工業系の用途地域であるため、営業用の倉庫を建てるのに向いているエリアといえるでしょう。

 

用途地域と倉庫の関係についてはこちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

倉庫や工場に適している用途地域とは?その定義をチェック

 

 

倉庫の建築では建築制限や内装制限、用途制限に注意!

倉庫の建築では、万が一火災があったときに被害を最小限に抑えるため、建築基準法による建築制限や内装制限が定められています。

 

倉庫の大きさによって、耐火建築物・準耐火建築物の構造にする、一定面積ごとに防火区画を設ける、炎が燃え広がらない不燃材料・準不燃材料で内装仕上げにするなどの規定があります。

 

また、用途地域による建築物の用途制限では、倉庫を建てられるエリアが定められています。

13の用途地域の中で、営業用の倉庫を建てられるのは7つのエリアです。

 

倉庫を建てる際には、このような法律の制限に留意しながらプランを検討しましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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