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2023.02.03

倉庫や工場の建設は地盤調査が重要!種類や地盤改良工事も解説

ボーリング調査

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

建物を建てる際には地盤の強さが気になりますが、それは倉庫や工場でも同じ。

特に倉庫や工場は、重たい荷物を保管したり重たい設備や重機を使用したりもするので、重さをしっかりと支える強い地盤が必要です。

 

今回のコラムでは、倉庫や工場の地盤調査種類や地盤改良工事について解説。

安全な倉庫や工場を建てるために必要な地盤の強さについてもあわせて解説します。

 

倉庫や工場を建てる土地を探している方は、地盤の強さについても必ずチェックしましょう。

 

ここに目次が入ります

 

倉庫や工場の建設では地盤調査が重要!地盤条件に注目

倉庫や工場の建築は軟弱地盤では難しいため、事前の地盤調査が重要です。

地盤調査の結果によっては、地盤改良工事が必要になり、倉庫や工場の建築費用や工期を見直す必要も出てくるでしょう。

 

倉庫や工場は海岸近くの埋立地などに建築されることも多く、そのようなエリアは地盤が水分を含む粘土や緩い砂で構成されている軟弱地盤の可能性があります。

 

しかし、軟弱地盤だと、建物の重さを支えられずに沈下してしまう恐れがあります。

さらに、場所によって地盤の強さにばらつきがあると、建物が不ぞろいに沈下する「不同沈下」が起こり、建物が歪んでしまう可能性も。

 

建物を確実に支えられる「支持層」と呼ばれる地盤の強さは、一般的に砂質地盤であればN値30以上粘土質地盤であればN値20以上が望ましいとされています。

 

N値とは地盤の強さを示す指標の一つで、N値が高いほど土地が強く締まっていることを示します。

 

一方、土地が重量物を支えられる力は「地耐力」といい、単位はkN/㎡です。

N値×10で求められ、1mあたり何kN(キロニュートン)の力に耐えられるかを示します。

 

N値が30の土地であれば地耐力は300kN/㎡で、1㎥あたり300kNの力に耐えられるということです。

 

なお、国土交通省の「宅地防災マニュアル」によると軟弱地盤の判定の目安は、粘性土でN値2以下砂質土でN値10以下、または有機質土・高有機質土とされています。

 

また、一般的な目安としては、粘土や緩い砂で構成されている地盤で地耐力が30kN/m²以下というのも、一つの目安になっています。

 

 

 

倉庫や工場の地盤調査の種類

倉庫や工場を建てる際には地盤調査が必須です!

地盤調査の方法として主に採用される「ボーリング・標準貫入試験」「スウェーデン式サウンディング」「平板載荷(へいばんさいか)試験」の3つの方法をご紹介します。

 

ボーリング・標準貫入試験

ハンマーを高所から落とし、ハンマーを一定距離打ち込むのに要した回数を元に、1mごとに地盤の強度を測定します。

多くの国で採用されているため過去データの蓄積が多いのがメリットです。

 

しかし、広いスペースや大きな設備が必要なため狭小地ではできないことと、時間とコストがかかることがデメリットです。

 

スウェーデン式サウンディング

スクリューポイントを回転させながら地面に貫入させ、それに要した荷重と回転数から抵抗値を測定する方法です。

こちらも一般的に採用されている方法で、深さ10m程まで連続でデータを取得できます。

 

しかし、地質によっては貫入が難しい点がデメリットです。

 

平板載荷(へいばんさいか)試験

直径30cmの鋼板に段階的に重りを載せていき、その沈み具合から地耐力を測定する方法です。

地盤が重さに耐える力を短時間で直接判定できるのがメリット。

 

ただし、深い部分の調査には不向きなことがデメリットです。

 

そのほか、ハンドオーガーボーリング、オートマチック・ラム・サウンディング試験、ポータブルコーン貫入試験、ポータブルコーン貫入試験などさまざまな方法があります。

 

なお、詳しい地盤調査は建築の基本計画や基本設計をたて、設計契約を結んだあとに行うことが一般的です。

以下のコラムで倉庫や工場建設の流れについて詳しくご紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。

工場・倉庫建設の流れとスケジュールを詳しく解説!必要な事前準備も

 

 

倉庫や工場で軟弱な地盤はどうする?基礎工事の種類も知ろう

ボーリング調査

地盤がしっかりしたい土地を選びたいのは当然ですが、地盤の強い土地はすでに別の建物が建っていたり、その他の条が合わなかったりして、必ず見つけられるとは限りません。

軟弱地盤の場合や地盤調査の結果によっては、地盤改良工事で地盤の強化を行います。

 

地盤改良工事の種類

地盤改良工事の方法は、主に「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」の3種類があります。

 

表層改良工法

セメントで地表周辺を固める方法で、軟弱地盤が地表から2m以内の浅い部分の場合に用いられます。

地表の軟弱部分を掘り返し、土にセメント系固化材を混ぜ込んで強度を高めます。

 

範囲は、建物の外壁から50cm外側までです。

 

ほかの工法と比べて小型の重機でも施工可能で、費用が比較的安価なことがメリット。

地番改良面より地下水が高い場合は施工できず、勾配の強い地面でも難しいことがデメリット。

 

職人の技術によって仕上がりの強度にムラができやすいのも注意点です。

 

柱状改良工法

地中に掘った穴の中で、セメントと土を混ぜて円柱状の固い地盤を築き、それで建物を支える方法です。

軟弱地盤の深さが地中2~8m程の場合に用いられます。

 

小型の重機でも施工でき、地盤の強度によっては強固な地盤がなくても地盤の強度を築けることがメリット。

施工後は地盤を元に戻すのが難しいことと、地盤の中に改良杭が残ってしまうので土地を売却する際には価格が下がる可能性があることがデメリットです。

 

鋼管杭工法

地中深くにある強固な地盤に鋼管の杭を打ち、鋼管で地中から建物を支える方法です。

地中30mという深部までの地盤強化が可能です。

 

短い工期で強度の高い地盤を築けるのがメリットで、費用をかければ元に戻すこともできます。

 

ただし、支持層(強固な地盤)まで鋼管杭が届かなければ強度を保てないこと、大型重機による施工になるため広い敷地や通行スペースが必要になることがデメリットです。

 

2種類の基礎工事も確認

建物を建てる際に行う基礎工事は、大きく分けて「直接基礎」と「杭基礎」の2つの種類があり、安定した地盤には「直接基礎」、軟弱地盤には「杭基礎」が採用されます。

 

それぞれの特徴とメリット・デメリットも確認しましょう。

 

直接基礎

地表に直接基礎を築き、建物の重さが直接地盤に伝達される仕組みの基礎工事です。

地盤が比較的安定していて、低層の建物を建てる場合に採用されます。

「独立基礎」「布基礎」「ベタ基礎」などに分かれます。

 

杭基礎

コンクリート製などの杭を強固な地盤まで打ち込んで、建物土台の安定を図る基礎工事です。

地耐力が20kN/㎡以下の軟弱地盤で採用されます。

 

 

倉庫や工場の建築時は地盤調査・地盤改良工事が大切!

倉庫や工場は、重たい荷物を保管したり、重たい設備や重機を使用したりするため、強固な地盤の土地に建てる必要があります。

地盤の強さはN値で表され、一般的には砂質地盤であればN値30以上、粘土質地盤であればN値20以上が望ましいとされています。

 

地盤の強さを調べるために行う地盤調査にはたくさんの種類がありますが、「ボーリング・標準貫入試験」「スウェーデン式サウンディング」「平板載荷試験」の3種類です。

地盤調査の結果によっては、地盤改良工事で地盤の強化を行ったうえで基礎工事に進みます。

 

倉庫や工場の建築では、地盤調査や地盤改良工事についてしっかり計画に含めて考えましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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