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2023.05.06

倉庫や工場の断熱・遮熱の違いとは?対策やメリットも解説

倉庫

こんにちは!北海道~東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。

 

作業環境整備や光熱費削減を目的として、工場や倉庫でも断熱対策や遮熱対策が取り入れられています。

「断熱」と「遮熱」は言葉も似ていますし、なんとなく同じような意味で使っている人も多いのでは?

ところが「断熱」と「遮熱」は明確に意味が違い、断熱対策と遮熱対策では得られる効果も異なります。

それぞれの違いや効果をきちんと理解した上で、適切な対策を取ることが大切です。

 

そこで今回のコラムでは、「断熱」と「遮熱」の違いを確認した上で、倉庫や工場で取り入れられている断熱対策や遮熱対策について解説。

倉庫や工場で断熱・遮熱対策を行うメリットもあわせてご紹介します。

 

ここに目次が入ります

断熱と遮熱の違いとは?工場や倉庫にも必要!

「断熱」は熱が伝わるのを抑えること、「遮熱」は太陽光を遮って熱が発生するのを抑えることです。

 

「断熱」という言葉は、「高断熱住宅」などで聞いたことがあるのではないでしょうか。

夏に外の暑さが室内に伝わるのを防ぎ、室内の涼しさが外に逃げるのを防ぐ、さらに、冬には外の寒さが室内に伝わるのを防ぎ、室内の暖かさが外に逃げるのを防ぎます。

 

せっかく冷暖房を使っても、適切な断熱がなされていなければ冷暖房効率が下がり、適温がキープしにくく、光熱費もたくさんかかってしまいますよね。

断熱性能は、夏も冬も適切な作業環境をキープするために重要なのです。

 

一方、「遮熱」は太陽光による熱の発生を抑えるもの。

太陽光は大きな熱エネルギーを持っているため、太陽光が当たった屋根や外壁などに熱を発生させ、その熱が建物内にも伝わってしまいます。

遮熱は、その照射を跳ね返すことで屋根や外壁などが熱くなるのを防ぎ、倉庫や工場内の気温上昇を防止します。

 

夏の暑さ対策としては有効ですが、冬の寒さ対策には効果はありません。

 

 

倉庫や工場に施す断熱・遮熱対策

倉庫や工場で多く取り入れられている断熱対策・遮熱対策をご紹介します。

 

屋根や外壁への塗装

断熱効果や遮熱効果のある塗料を塗装するもので、現在よく取り入れられている方法です。

屋根や外壁の塗装は数年おきにメンテナンスとして塗り直しが必要なため、通常のメンテナンス計画に組み込むことで施工の負担を抑えることができます。

 

屋根や外壁への遮熱シート施工

屋根や外壁に遮熱効果のあるアルミ製のシートを施す方法です。

特に太陽に近く常に直射日光が当たっている屋根への施工は、遮熱効果が大きいです。

 

施工は容易で、職人の技術によって仕上がりが左右されないこともメリット。

 

屋根への施工は雨漏り対策にもなります。

 

屋根や壁への断熱材施工

屋根や壁へ高品質の断熱材を施す方法です。

 

倉庫や工場の建設時に施工するのがベスト。

あとから施工する場合は改修工事となり、倉庫や工場の稼働をストップしなければならない可能性もあります。

 

窓のガラスを複層ガラスへ交換

開口部である窓は熱の移動が大きい場所のため、断熱性の高い窓に交換することで高い断熱効果を得られます。

複層ガラスに交換するほか、窓サッシごと交換する方法もあります。

 

窓へ遮熱カーテンや遮熱ブラインド設置

倉庫・工場内の事務所や休憩室などはカーテンを設置しているケースも多いかと思いますが、太陽光の侵入を防ぐ遮熱カーテンや遮熱ブラインドへの設置・交換も検討してみましょう。

 

ほかの方法と比較して、設置の手間や費用が少ないメリットがあります。

 

 

倉庫や工場を断熱・遮熱するメリット

チェックブロック

倉庫や工場で断熱対策・遮熱対策をすると、建物内の温度管理がしやすくなります。

それによるメリットをご紹介します。

 

【1】作業効率がアップする

夏は涼しく冬は暖かい適温をキープでき、作業環境が整えられることにより作業効率が高まります。

 

倉庫や工場の暑さ対策は重要!その理由や行うべき工夫を詳しく解説」でも、倉庫・工場での温度管理の必要性を詳しく解説しています。

作業効率を落とさないための適温などもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

 

【2】熱中症リスクを下げる

夏の暑さや熱を抑えることで室温が上がりすぎることを防ぎ、熱中症リスクを抑えます。

社員の健康や安全を守ることは、企業の義務でもあります。

 

【3】光熱費を削減する

断熱により冷暖房効率が高まり、遮熱により熱の室温上昇を防ぐことで冷暖房の稼働が減り、光熱費の削減になります。

 

広い倉庫や工場ではそのメリットも大きいでしょう。

冷暖房設備や空調設備の負荷が減って、設備の長持ちも期待できます。

 

【4】商品の品質を守る

温度変化に弱い商品を扱っている倉庫や工場では、室温管理がしやすくなることで品質低下やロスを防ぐことにもつながります。

 

温度・湿度管理の重要性や扱っている商品に応じた管理方法などは、「倉庫や工場の湿度管理と温度管理は重要!ポイントや方法を解説」のコラムで詳しくご紹介しています。

 

【5】結露対策になる

断熱が行き届かず室温が下がる場所があると、温度差から結露が発生してしまいます。

結露はカビやサビの原因になり、建物へダメージがあるほか、湿気やカビで商品へ悪影響を与える可能性もあるでしょう。

 

倉庫の結露に注意!定温倉庫(低温倉庫)は結露しづらいって本当?」では、倉庫の結露の悪影響や注意点、結露対策などを解説していますので、こちらもご確認ください。

 

 

倉庫や工場の断熱・遮熱対策の方法とメリットを知ろう!

断熱と遮熱は同じような意味に思えますが、実は少し違います。

 

断熱は熱が伝わるのを抑えることで、夏の暑さ対策・冬の寒さ対策の両方に有効。

遮熱は太陽光を遮って熱の発生を抑えるもので、夏の暑さ対策にのみ有効です。

 

快適で安全な作業環境をキープするためにも、倉庫や工場での断熱・遮熱対策は重要。

屋根や外壁に断熱・遮熱効果のある塗料を塗る、遮熱シートを施す、断熱性の高い窓に交換する、遮熱カーテンを設置するなどの方法があります。

倉庫や工場建設時に高性能の断熱材を施すのも有効ですよ。

 

倉庫や工場に断熱・遮熱対策を施すことで、作業効率アップや熱中症リスク低減が期待できます。

 

また、空調効率がアップし設備負荷が減ることでコスト削減も。

もし断熱・遮熱対策が不十分と感じているなら、ぜひ検討してみてください。

 

これから倉庫や工場の建築を予定しているのであれば、稼働してから困らないよう、断熱対策や遮熱対策についても、しっかり考えておきましょう。

 

戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。

倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

久保 大輔設計部 部長

某設計事務所にて設計監理業務に従事し、現在は内池建設にて倉庫建築をはじめ様々な建築設計に取り組んでいる毎日です。建築を楽しみながら、安心で快適、使いやすく、みんなに愛される建築を提供していきたいと思います。

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