ここに目次が入ります
2022.04.25
倉庫の耐用年数(寿命)とは?点検・修繕方法や減価償却も確認!
こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫には耐用年数(寿命)があり、劣化した倉庫は安全に使用できません。
では、倉庫の耐用年数(寿命)はどのくらいあって、どのくらい使用できるものなのでしょうか?
今回のコラムでは、倉庫の寿命について解説します。
耐用年数=寿命と考えがちですが、耐用年数については3つの種類があるのでその違い、そして、寿命を延ばすための点検や修繕についても紹介します。
倉庫の耐用年数(寿命)とは?耐用年数の確認方法も紹介
建物の寿命は、その構造や用途によって異なります。
たとえば、木造よりも鉄筋コンクリート造の方が寿命が長いですし、重機や大型トラックが行き交う倉庫や工場よりも、特定の人しか出入りしない事務所や住宅の方が寿命が長いです。
倉庫の「耐用年数」というと、倉庫を倉庫として使用できる物理的な「寿命」を指していると感じますが、実は建物の「耐用年数」には、法定耐用年数、経済的耐用年数、物理的耐用年数の3つの種類があります。
法定耐用年数
建物の固定資産評価額や減価償却費を計算する元とする年数です。
建物が物理的に使えるかどうかを表す年数ではありません。
国が資産の構造や用途ごとに年数を定めていて、国税庁ホームページで一覧表を確認できます。
たとえば、倉庫や工場の耐用年数は構造別に以下のようになります。
構造 | 耐用年数 |
木造 | 15年 |
木骨モルタル造 | 14年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 38年 |
レンガ造・石造・ブロック造 | 34年 |
金属造 | 17~31年(骨格材の厚みによる) |
経済的耐用年数
資産を使用したときの収入と支出(固定資産税、修繕費など)の予測が、採算に合うかどうかで判断する年数です。
たとえば、老朽化しすぎて毎年の修繕費が改築や新築費用を上回ってしまう場合などは、経済的耐用年数を過ぎてしまっているといえるでしょう。
経済的耐用年数は、不動産鑑定士など資産の経済的価値を鑑定する専門家や企業へ依頼して確認します。
物理的耐用年数
建物がその目的を果たし安全に使用できる年数、つまりは物理的な寿命を指す年数です。
老朽化や劣化または、地震や台風などを原因として耐用年数が短くなることもあります。
物理的耐用年数は、一級建築士などの専門家による建物診断調査(インスペクション)により確認します。
経済的耐用年数や物理的耐用年数は、法定耐用年数よりも長くなるのが一般的です。
ただし、経済的耐用年数や物理的耐用年数は、建築資材や周囲の環境、使用方法、保管する商品など、使用環境によって左右される可能性があります。
ちなみに、物理的な倉庫の寿命は、工法によっても異なります。
工法別の寿命は、下記が目安です。
- システム建築:約30年
- プレハブ倉庫:約20年
- テント倉庫:約6〜8年
- 在来工法:約30年
それぞれの工法については「システム建築の施工会社の選び方を解説!他工法との違いも知ろう」で詳しくご紹介しています。
倉庫の耐用年数と減価償却の関係
減価償却とは、倉庫などの固定資産は法定耐用年数の間に少しずつその価値を消費していき、耐用年数いっぱいで価値がゼロになるという考え方です。
これは、毎年の会計上の赤字・黒字のバランスをとるために国が定めた方法です。
たとえば、今後30年使うために3,000万円で建てた倉庫の費用が、建てた年に全額経費として計上されてしまっては、その年は大赤字になってしまいますよね。
そのため、固定資産はその購入費用を法定耐用年数で分割して経費計上していくことになっています。
たとえば、法定耐用年数15年の木造倉庫を1,500万円で建てたなら、1,500万円÷15年で、毎年100万円ずつ減価償却費として経費計上していくのです。
法定耐用年数は、会計上で減価償却費の算出に必要な数値であって、「法定耐用年数を過ぎたから倉庫はもう寿命だ。使えない」というわけではありません。
倉庫の耐用年数(寿命)をのばすには点検・修繕が重要
倉庫の寿命をのばすためには、定期的な点検・メンテナンス・修繕が不可欠。
物理的耐用年数は使用環境や地震、台風といった要因でも左右されますので、築年数ではなく、定期的に建物を点検して実際の劣化状況を把握し、対処していくことが大切です。
倉庫では定期的に以下のような修繕が必要となります。
■外装修繕
・屋根の再塗装、防水処理、ひび割れなどの修繕、必要に応じて葺き替えなど
・外壁の再塗装、ひび割れやコーキングの修繕、外壁の張り直しなど
■内装修繕
・内壁や建具の修繕など
■構造部分の修繕
・柱、床、梁(はり)、基礎、階段などの補強や交換、必要に応じて建て替えなど
倉庫の耐用年数(寿命)には3つの種類が!点検・修繕で長く活用を
倉庫の耐用年数には、法定耐用年数、経済的耐用年数、物理的耐用年数の3種類があり、「倉庫の寿命」とは物理的耐用年数を指すことが一般的でしょう。
法定耐用年数は建物の構造や用途ごとに決められていますが、経済的耐用年数と物理的耐用年数は使用環境や使用方法によって左右されるため、物件ごとに専門家に確認してもらう必要があります。
法定耐用年数は減価償却の元となる年数であって、法定耐用年数が過ぎたからといって倉庫の寿命が来るわけではありません。
定期的な点検・修繕を行うことで寿命をのばして、倉庫を長く使いましょう。
戦略倉庫では、約1,000通りのシミュレーションから最適なプランをご提案することで、低コストで高品質な倉庫や工場を短納期で建築可能です。
北海道や東北で倉庫・工場の建築をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。