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2021.12.22
倉庫の建築は鉄骨造と木造どちらが良い?メリット・デメリットを解説
こんにちは!北海道〜東北の倉庫・工場の建設会社「戦略倉庫」の久保です。
倉庫に用いられる建築構造は、「鉄骨造」か「木造」が一般的。
倉庫の建設をご検討の方は、どちらの構造を採用するか、迷っていらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、鉄骨倉庫と木造倉庫について、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
倉庫の建築は鉄骨造と木造どちらが良い?
まずは、倉庫の建築に鉄骨造と木造のどちらが多く採用されているのか、データを見てみましょう。
2020年における全国の鉄骨倉庫と木造倉庫の数は、それぞれ次の通りです。
- 倉庫の総数:14,981棟
- 鉄骨造:11,395棟(全倉庫の約76%)
- 木造:2,661棟(全倉庫の約18%)
参考:国土交通省 2020年 建築着工統計調査(3. 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額)
倉庫の総数と比べると、圧倒的に鉄骨造の方が多いとわかります。
鉄骨造は、木造より耐久性や耐火性に優れ、鉄筋コンクリート造などと比べてより早く、かつ低コストで建設できることが大きな理由のようです。
ただ、工期やコストについては一般的に、木造の方がより早く安く済みます。
このように、鉄骨造と木造にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、どちらの構造を採用するか比較・検討することが大切です。
予算・倉庫の運用年数・導線・設備・地盤条件などを考慮し、何を重視するかはっきりさせておくと良いでしょう。
鉄骨造と木造のメリット・デメリットについては、これから詳しくご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
鉄骨倉庫・木造倉庫の特徴やメリット・デメリットを解説!
建築構造には鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などもありますが、ここでは鉄骨造と木造の比較をメインとした、それぞれの特徴をご紹介します。
鉄骨倉庫の特徴
鉄骨倉庫の工期、品質、費用といった特徴は次の通りです。
鉄骨倉庫のメリットは、耐久性や耐震性が高く、倉庫に必要な広い空間を作り出せる点です。
部材に鋼材を使うため、耐久性や耐震性に優れ、遮音性も木造と比べて高くなります。
柱や壁を設置しなくても十分な強度を保てるため、大空間の設計が可能です。
また、個体差のある木材とは違い、工場で生産される鋼材は品質が安定します。
そのため、職人の技量に関係なく、建物の品質が一定以上に保たれやすいのです。
一方、木造と比べた際のデメリットとしては、工期が長く、建築費用も高くなることが挙げられます。
しかし、あらかじめ工場で柱や梁(はり)を組み立ててから現場に持ち込むため、鉄筋コンクリート造などと比べると、短工期かつ低コストです。
特に、薄い鋼材を用いる「軽量鉄骨造」を選べば、工期をさらに短くし、コストを抑えられます。
詳しくは「鉄骨の倉庫の特徴は?種類やメリット・デメリットまで詳しく解説!」で解説していますので、ぜひご覧ください。
また、解体費用についても、一部の解体業者は骨組みである鉄を買い取ってくれるため、コストカットできる可能性があります。
その他、結露によるさびを防ぐための防さび加工が必要ですが、工期やコストを抑えつつ、広くて頑丈な倉庫をお求めなら、鉄骨造がおすすめです。
木造倉庫の特徴
続いて、木造倉庫の特徴を見ていきましょう。
木造倉庫の主なメリットは、工期が短く、建築費用やランニングコストを抑えられることです。
工場である程度組み立てる点は鉄骨造と同じですが、部材を戸建住宅の市場からすぐに入手できるため、鉄骨造より工期が短くなります。
建築費用を抑えられるのは、鋼材より木材の方が安価なこと、部材が軽いために基礎工事や地盤改良にコストがかからないことが理由です。
実際、鉄骨倉庫と木造倉庫の平均坪単価を見てみると、鉄骨倉庫は約43.1万円なのに対し、木造倉庫は約36.3万円となっています。
参考:国土交通省 2020年 建築着工統計調査(3. 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額)※工事費予定額/床面積(坪換算)で算出
ただし、坪単価は施工エリアや地盤条件にも違ってきますので、詳しくは「倉庫の建築は坪単価いくらかかる?建築費用について知ろう」をご参考ください。
ランニングコストと解体費用についても、次の理由からカットできます。
- 断熱性が高く、光熱費を節約できる
- 耐用年数が短いため、減価償却費を多く計上できる
- 鉄骨造より解体が容易
一方で、耐久性や品質の安定性、間取りの自由度は、鉄骨造より劣ります。
木材は繊維方向などの品質が一定でないため、施工には熟練した技術を要し、建築物の品質は鉄骨造より安定しません。
また、倉庫のような大きな建築物では、強度を保つために柱や壁を設置する必要があり、広い空間の確保は難しくなります。
木造で広い空間を作ろうとすると、特殊な設計や部材の加工が必要となり、コストアップしてしまうのが一般的です。
さらに、シロアリといった害虫対策が必要となる場合もあります。
できる限り早く施工を終わらせ、建築や運用のコストを節約したい場合は、木造倉庫の方が良いかもしれません。
鉄骨造と木造のどちらを選ぶかはしっかりと比較・検討して決めよう
日本の倉庫建築で多く用いられている構造は、鉄骨造です。
国内にある倉庫の約76%を占めています。
鉄筋コンクリート造などより短工期・低コストで、高強度かつ大空間を実現できることが理由です。
一方、木造倉庫は耐久性が落ちるものの、鉄骨造に比べ工期は短く、建築や運用にかかるコストを抑えられるというメリットがあります。
どちらを採用するか検討する際は、それぞれのメリットとデメリットを比較し、予算や運用年数、地盤条件などを考慮することが大切です。
戦略倉庫では鉄骨造の倉庫をメインに取り扱っております。
特にスパンを飛ばした大空間倉庫を得意としており、部材の標準化によって坪単価25万円からの建築も実現可能です!
北海道や東北で鉄骨倉庫の建築をご検討の方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。